令和元年度決算特別委員会 [ 10月8日健康福祉部 ]

○(岸口みのる委員)  維新の会の岸口である。小さな会派であるから、割当ての時間が少ないので、早速質問に入りたいと思う。

施設整備事業決算状況について
 まず、質問の1であるが、施設整備事業決算状況についてお尋ねする。これは休憩前に小池委員からもあったが、重ねて質問をさせていただく。
 包括外部監査結果報告には、過去3ヵ年度にわたり当初予算と決算額の乖離の大きかった事業として、保育所緊急整備事業、認定こども園整備事業、保育定員弾力化緊急支援事業、障害者福祉施設整備補助、地域介護拠点整備補助事業、高齢者福祉施設等施設整備費補助事業などが挙げられている。監査人からは、事業の必要性は高いとしながらも、保育所関連の三つの事業、介護・高齢者関連では当初見込まれていた計画の中止、延期によるもの、障害者関連では情報不足による予算精度の低さが乖離の要因として指摘されている。
 私もそれぞれの事業の必要性は高いと思うものの、3ヵ年にわたり予算・決算の乖離が続いた結果を見ると、予算積算の正当性はあるのか、ニーズはあるのか、事業の周知広報は十分なのかなど様々な課題が感じられる。
 これらの事業のうち、基金等の特定財源を活用したものについては、乖離があったとしても他の事業の予算への影響はないとされるが、やはり事態に至った要因の分析が必要と考える。
 予算の精度を高めること、国への申請の採択率を上げることなど多くあると考えるが、現状をどのように分析しているのか、また、今後の確実な事業展開に結び付けていくのか、ご所見をお尋ねする。

○高齢政策課長(坪井宏徳)  社会福祉施設等の施設整備については、高齢、子供、障害各分野において、利用ニーズの高まり、あるいは将来的に必要となるサービス量を見込んで策定した計画に基づき、整備を推進するための補助を実施させていただいており、各施策の基本となる重要な事業であると認識しているところである。
 本事業の実施に当たっては、当初予算編成時における市町や社会福祉法人等の整備計画をもとに、県の予算不足が原因で円滑な施設整備に支障が生じることのないよう、必要な額を計上させていただいているところである。
 市町の公募における応募者不足、あるいは工期の遅れ、それから国の選定審査の結果等により、年度内の整備が困難となった案件については、予算を減額補正することで対応させていただいているところであるが、委員ご指摘のとおり、当初予算とは乖離が生じる結果となっている。
 今後については、市町に対し実現性の高い案件を精査した上で計画するよう要請すること、それから、あらかじめ複数年度の工期が見込まれる案件については当該年度の進捗率に応じた予算額を計上すること、それから、国の採択率が上がるよう案件の一層の精査に努めるといった工夫により、円滑な施設整備の実施に必要な予算が過不足なく確保できるよう努めていきたいと考えている。

○(岸口みのる委員)  現場では、先ほどのご答弁あったとおり、突発的な事案というのは起こることは当然あり得ると思う。ただ、この事業の本来の目的というのは、やっぱりしっかりこの事業を活用していただいて、補助金を活用していただいて、速やかに施設が運営をされることである。その責任を皆さんが負っておられるわけであるから、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思う。
 それから、特定財源を活用しているということで、他の事業には影響がないとは言われるが、現場からは、保育士さんとか、介護士さんとか、コロナについての危険手当も出してほしいとか、そういう要望も一方ではあるわけだから、やっぱり与えられた予算というのをしっかり執行していただいて、本当に余るのであれば、そういったところにもご活用いただきたいと思う。よろしくお願いする。

コロナ禍におけるひきこもり支援について
 質問の第2である。コロナ禍におけるひきこもり支援についてである。
 昨年の9月定例会でひきこもり支援についての質問をした。その際、知事から答弁をいただいたとおり、昨年、県では、ひきこもり状態にある者の早期発見や、中長期化しているひきこもり状態にある者への段階に応じたきめ細やかな支援を実施するため、有識者や支援者から成る兵庫県ひきこもり対策検討委員会を設置し、ひきこもり状態にある者の実態調査を実施するとともに、現状と課題、行政の役割について検討されている。
 加えて、県では本年8月から、県下10ヵ所に電子媒体を活用した居場所、電子居場所がスタートしている。電子媒体の活用は、移動に要する時間、費用がかからないこと、話すことが苦手でもチャットなどにより参加が可能となること、カメラは嫌でも音声だけでの参加も可能であることなど、コロナ禍にあって時機を得た施策と感じている。県から業務委託を受けるNPOのほうからは、ひきこもり支援の可能性や選択肢が大きく広がることから、来年度以降も継続して取り組むことが重要と伺っている。
 そこで、ひきこもり対策検討委員会の検討内容と、まだまだスタートしたばかりであるが、電子居場所の実施状況と今後の方針についてお尋ねする。

○障害福祉課長(庄 宏哉)  県では、ひきこもり対策検討委員会での検討を始めるに当たり、ひきこもり状態にある者の実態把握のため、昨年度、民生委員・児童委員を通じて調査を実施したところである。その結果、担当地域に該当者がいると回答した民生・児童委員は全体の28%になっており、該当者の年齢構成は、四、五十歳代の中高年の方が多いという状態であった。また、ひきこもりの状態にある期間も10年以上が41%と、高齢・長期化しているということが分かったところである。
 また、検討委員会からは、こうした方々へ対応するための行政の役割として、一つには、潜在的ひきこもりに気づき、支援につなげる取組が求められるということで、介護支援専門員等が支援機関につなぐ仕組みづくりとか、ひきこもり相談窓口の設置をご提言いただいたほか、二つには、個々の状況に応じた課題解決への取組が必要であるとして、市町を中心とした支援チームや居場所の充実、更には、委員お話のありました、電子居場所の設置についてご提言いただいたところである。これらを参考に、本年度から施策の展開に努めているところである。
 お尋ねの電子居場所については、対面でのコミュニケーションや外出が苦手な方など、実際の居場所に行くことが困難な方の中間的、過渡的な居場所として、オンライン会議のアプリを活用して開催しているほか、事業者を募集・決定し、この8月から、女性限定や、あるいはフリートークといった形の10のコースを実施しており、現在の実施回数は延べ40回、参加者数は延べ84人ということになっている。参加者のいただいたご感想としては、オンライン会議アプリに戸惑う者もあったようであるが、外出せずに人と話すことができ、交通費がかからないといったことなどから、概ね好評であったところである。
 今後とも、事業者及び参加者のご意見を踏まえ、実際の居場所を補完するひきこもり支援の新たな手法として、電子居場所の普及を目指して取り組んでいきたいと考えているので、引き続きのご指導よろしくお願いする。

○(岸口みのる委員)  今回のコロナがひきこもり支援の一つの転機というか、チャンスになるような気がしている。先ほどの電子居場所だけではなく、ほかにもまだまだやることたくさんあるが、ぜひよろしくお願いしたいと思う。

精神科病院について
(1)精神科病院の診療体制について

 質問の第3である。その1は、精神科病院の診療体制についてお尋ねする。
 本年4月、厚生労働省が、神戸市内の精神科病院での看護師による患者への虐待・暴行事件を受け、47都道府県と20政令市に対し、精神科医療機関での患者への虐待について行った調査によると、虐待の疑いのある事例が2015年から2019年の5ヵ年で72件あったことが報告された。全国での精神科の実態が少しずつ見えてきた。
 神戸市内での虐待事件について、患者側の兵庫県精神福祉家族会連合会の方々にお話をお伺いすると、医療スタッフが少なく、勤務環境の課題が背景にあるのではないかとの指摘を受けたところである。
 精神科病院は、これまで昭和33年の精神科特例により、一般科に比べ医師の配置は3分の1、看護職員の配置は3分の2とされていたが、平成26年、厚生労働省より、良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針が示され、医師、看護職員、精神保健福祉士、作業療法士など他の職種のチームによる質の高い医療の提供、退院支援の取組推進、急性期においては医師、看護職員の配置を一般病床と同等とすることを目指すとされた。
 そこで、県では兵庫県保健医療計画を策定し、医療環境の整備を進めておられるが、精神科診療体制のこれらの現状と課題をどのように捉え、今後の整備を進めていくのか、お尋ねする。

○いのち対策室長(野倉加奈美)  精神科の医療環境の整備については、精神科救急医療が必要な患者と病状が安定した慢性期の患者等が同じ病院に入院している状況を考慮し、医療法において、精神科病院が少なくとも有するべき医師、看護師等の配置基準が定められているところである。
 また、精神保健福祉法において、医療保護入院患者の退院を促進するために、病院の管理者は精神保健福祉士等を退院後生活環境相談員として配置し、退院後の生活に向けた患者や家族等からの相談に応じるなど、精神科特有の課題に対応した人員配置が付加されている。
 一方で、診療報酬において、患者の病状に応じた精神科作業療法等の専門的な精神科療法への評価など、質の高い医療を確保するための取組が推進されているところである。
 これらにより適切な医療を提供する体制を整えていることに加え、毎年、医療法に基づく立入調査と、精神保健福祉法に基づく実地調査を行っており、質の向上を図るための指導等を実施しているところである。
 また、兵庫県保健医療計画における精神科における主な課題として、入院の長期化と捉えているところである。地域生活への移行を推進する取組に我々としては注力しているというところである。
 今後とも、精神科病院の医療環境の質を確保しつつ、医療、福祉、介護などネットワークにより、地域に戻り、社会の一員として安全・安心に暮らすことのできる切れ目のない支援の充実に取り組んでいく。よろしくお願いする。

○(岸口みのる委員)  立入調査等も行うということであるが、次の質問と関連するので、先に質問に入りたいと思う。

(2)患者への必要な医療情報の提供について
 質問の第2は、患者への必要な医療情報の提供についてである。
 患者やそのご家族は、神戸市内の事件を受け、病院選びに大変不安を感じておられるとのことであった。県下には精神科病床を有する病院が44病院あるが、身体拘束が少ない病院はどこなのか、医師や看護師の比較的多いところは、ケアが行き届いているところは、保護室を利用した隔離対応された数の少ないところはどの病院かなど、情報が少ないとのことであった。
 患者とそのご家族の不安解消につながる必要な情報が提供されることが重要と考えるが、情報提供の現状の認識の在り方について、ご所見をお尋ねする。

○いのち対策室長(野倉加奈美)  患者の精神症状に基づく身体的拘束や保護室における隔離処遇については、常に患者の安全に配慮したもので、ほかに手段がなく、拘束や隔離をしなければ医療の提供や安全の確保ができず、命が脅かされる状況であると精神保健指定医が判断した場合にのみ実施される医療行為である。治療の一環として、患者の精神症状によりやむを得ず制限を行っているというのが現状である。
 また、拘束や隔離を行った患者に対しては、法に基づき、年に一度、全ての精神科病院において、隔離・拘束を行う病室の様子、カルテへの記載の状況、入院患者や病院職員に対する聞き取りというようなことを実地調査により確認を行っているところである。特に今年度の重点事項として位置付けているところである。
 精神科病院の閉鎖病棟における治療、拘束、隔離については、患者やその家族が不安を抱くことの要因ともなっているということを我々も認識をしているところであるが、それを解消するために、県の健康福祉事務所、兵庫県精神保健福祉センターにおいて受診や入院の相談に応じ、例えば思春期病棟とか認知症といったような専門的な病棟の有無や、リハビリテーションの状況、病院の相談窓口を紹介するといった、患者のニーズに応じた医療機関情報の提供を丁寧に行っているので、よろしくお願いする。

○(岸口みのる委員)  答弁あったとおり、630調査、国のほうで調査をやっておられるということであるが、やっぱり利用者からすると、自分たちが知りたい情報がそこにはないというか、そこに若干の乖離がどうやらあるようで、患者の立場と病院の立場を考えると、やっぱり精神科においては、私は患者さんの立場のほうがある意味弱い立場にあるのかなと感じている。だから、やっぱり自分たちが必要とする情報をしっかりと入院する前に選んで、病院を選ぶということが、自分たちを守っていくというか、病院を適正に利用できるということになると思う。そういった情報をしっかり検討していただくように、今後もご努力をお願いしたいと思う。よろしくお願いする。

こども家庭センターについて
 質問の第4である。こども家庭センターについてお尋ねする。
 昨年の県下5ヵ所のこども家庭センターでの相談受付件数は1万6,725件であった。さきの本会議での答弁があったが、受付から発行まで4ヵ月程度かかるなど時間を要する療育手帳の受付件数が4,305件、近年急増傾向にあり、複数の職員での対応が必要となる虐待相談は5,380件となっている。
 センター別では、西宮、川西の年間相談件数が多く、それぞれ4,795件、4,422件と多く、対応に当たる職員は、西宮が57名、川西が46名となっている。尼崎市が独自に児童相談所の開設準備を進めているが、ケースワーカーである児童福祉司は総人口の割合に応じ配置されることから、尼崎市の開設後は西宮の職員は減ってしまい、大幅な業務の軽減にはならない。
 今後もこども家庭センターの重要度が増すことから、相談件数に応じた職員の配置などの機能強化が必要であると考えるし、明石市や尼崎市など設置者の異なる児童相談所間の人事交流、情報共有も重要と考える。
 そこで、こども家庭センターの日常業務の現状と機能強化について、ご所見をお尋ねする。

○児童課長(中西史宏)  西宮こども家庭センターの相談件数4,795件のうち、虐待相談が1,866件で約4割、療育手帳交付を含めた障害相談は2,398件で約5割、また、川西こども家庭センターの相談件数4,422件のうち、虐待相談が1,341件で約3割、障害相談は2,578件で約6割と、両センターとも虐待相談、障害相談、この2種類の相談で約9割を占めている。これは他のこども家庭センターもほぼ同様の状況ということである。
 現在、児童福祉司の配置については管内人口の4万人に1人となっているが、令和4年4月からは3万人に1人ということになるために、今年度は、児童福祉司をはじめ、心理判定員5人を採用させていただいたところであり、今後も計画的な採用に努めていく。
 また、専門職の質の向上を図るために、新任職員研修、児童福祉司任用前講習会、任用後の研修、子供虐待対応、性的虐待に係る被害事実確認面接、あるいは里親委託推進等のテーマ別の研修、さらには警察との合同研修、こういうふうな研修をしながら資質の向上に努めているところである。
 さらに、要保護児童対策地域協議会の調整担当者向けの研修会、虐待対応、子ども家庭総合支援拠点等に関する合同研修を実施し、市町職員の専門性の向上も図っているところである。明石市が児童相談所を設置した際には、こども家庭センターにおいて明石市から3年間で延べ18名の受入を行ったところである。また、現在は尼崎市、さらに来月からは姫路市から研修生を受け入れることとしており、引き続き人材育成に協力していく。
 今後も市町との連携を深めることにより、こども家庭センターの機能強化を図り、更なる充実を図っていくこととしているので、よろしくお願いする。

○(岸口みのる委員)  ありがとうございました。子供はやっぱり人間であるから、こども家庭センター、これまでいろんな事案をたくさん受け付けるというか、こなしていくことによって、ノウハウというのはどんどん蓄積をされていくのだと思う。その蓄積されたものが、管轄が違うからといって無駄にならないように、また、子供さんも親御さんも市町間をまたいでこういう相談業務が出てくるというのは多くあるし、そのことによって、また情報のそごによって重大な事案を招かないようにする必要もあるので、ぜひそういった取組も忘れずに、これからもよろしくお願いしたいと思う。
 以上で質問を終わる。

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