第326回 2月定例県議会 一般質問

 

質問日 : 平成27年2月25日(水)

質問者 : 岸口 実 議員

質問方式 :分割

 
○(岸口 実議員)  皆さん、おはようございます。明石市選出の岸口でございます。
 残念ながら、初々しさはなくなりましたけれども、通告に基づきまして、今期最後の質問を分割方式で行いたいと思います。

高齢者介護支援体制の充実について 

質問の第1は、高齢者介護支援体制の充実についてであります。
 2015年を迎えました。団塊の世代の方々が65歳を迎え、10年後には後期高齢者となる2025年問題が目の前です。そこで、まず最初に介護に関する項目をまとめて質問をいたします。
 介護保険制度がスタートし、15年が経過しました。全国の75歳以上の後期高齢者は、900万人から1,560万人へ増加。2025年には、2,200万人を超えるとの推計があります。兵庫県下では、現在の67万人から約100万人になるとのことであります。
 このような高齢者人口の激増に伴い、制度の必要性はますます高まりますし、要介護状態となった方々が尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、安定した制度の運営を図らなければなりません。
 一方、今年度の介護報酬総額は、制度スタートの2000年度の3兆6,000億円から約3倍となる10兆円に、また、2025年には、その2倍となる20兆円近くになると見込まれることなど、制度の維持・安定は非常に厳しい状況にあります。
 このような中、国では3年に1度の介護報酬の見直しを行い、2.27%の引き下げを決定したところであります。今回の見直しにより、税金、保険料、利用者の総額2,000億円を超える負担軽減がなされることや、介護サービスの充実については報酬の引き上げが行われますが、施設介護現場では、介護サービスの質・量の低下について、懸念や問題提起がなされております。
 まず、そこで1点目として、弱小の社会福祉法人への対応について伺います。
 財務省が、全国の特別養護老人ホーム6,126施設中1,087施設を対象に行った財務調査では、全国の特別養護老人ホームの内部留保が合計1.8兆円、平均3億円あることや、収支差額――もうけの部分ですね――が8.7%と、中小企業の2%台を大きく上回っていることなど、いわゆるもうけをため込む特別養護老人ホームとの指摘がされ、その結果、介護施設事業者に対する報酬の5%削減が決まりました。
 これに対し、全国老人福祉施設協議会からは、同協議会、また、東京都が行った同様の調査では、収支差率はいずれも4.3%と、指摘の半分であることをはじめ、特別養護老人ホームの内部留保は一切の法人外資金流出を禁止されており、法人内に蓄積せざるを得ない資金であることや、介護保険事業、社会福祉事業に供する資金であること、法人設立に当たり、法人の土地・建物は、寄附金をはじめ、補助金、制度融資を活用したもので、そもそも自己資本比率が高いこと。また、事業用資産として投入され現預金として積み立てていないことなど、多くの誤解があると反論をしています。
 また、地元明石の特別養護老人ホームでお話をお伺いいたしますと、これらに加え、今回の内部留保は、純資産の部、その他の積立金と次期繰越活動収支差額の合計であり、国庫補助金等特別積立金を減価償却したものが、収益として次期繰越活動収支差額に加算され、結果として収支差率を押し上げることとなったもので、社会福祉法人の会計処理方法自体に問題があること、また、2ヵ月遅れとなっている介護報酬を補うための運転資金や施設・設備の修繕費等を含んだものであること、施設ごとに内部留保、収支差額に大きなばらつきがあることなど、現場の実態をお聞かせいただきました。
 確かに、今回の調査で、内部留保は1施設当たり平均3億円となっていますが、内部留保の多い上位5%、54施設での平均は13.5億円、下位30%、326施設では平均0.25億円と、非常に大きな差が見られました。中でも、8.5%の92施設は、ゼロ、またはマイナスとなっております。入居者定員数の大きな施設ほど多くの内部留保を有し、定員100人以上の施設と29人以下の施設では、入居者1人当たりの平均が、1.3倍の開きが見られたところです。
 そこで、今回の引き下げが県下の特別養護老人ホームなどの施設にどのような影響を与えるのか、また、特に弱小の法人施設への影響が大変懸念されるところですが、県としてどのように把握し、支援体制を築くのか、お尋ねをいたします。

介護人材の離職防止対策について

 質問の2点目は、介護人材の離職防止対策についてです。
 1月5日、朝日新聞に「介護職員の相次ぐ退職と採用難のダブルパンチにより新たな入居受け入れを休止」との報道がありました。明石市内でも、人手不足によりショートステイの受け入れを見合わせるなど、一部の影響が出始めています。2025年には介護職員が250万人必要で、このままでは30万人が不足すると予測されており、人材の確保は待ったなしの課題であります。
 介護労働安定センターの2013年度の介護労働実態調査によると、介護従事者の離職率は、前年度比0.4ポイント減の16.6%と、2年ぶりに改善をしたものの、全産業平均の15.6%より高いことが発表されました。
 離職理由については、結婚、出産をはじめ、事業所の理念や運営に不満や、職場の人間関係、収入が少ないなど、職場環境、待遇によるものが大半を占めています。
 これら職場環境の向上について、一昨年の9月定例会で、介護現場の職場環境の改善に向けた介護保険制度の周知・啓蒙について質問をしましたが、引き続き、事業者、利用者とものマナーやモラルを向上させ、介護現場でのトラブルの発生抑制と介護職員のモチベーションの低下を招かないようにしなければなりません。
 このような中、県では福祉人材のキャリアアップを支援するため、実務経験年数に応じた基礎研修や専門研修を実施するとともに、在宅での終末期ケアのニーズに応えるため、介護支援専門員協会が実施する介護支援専門員チームケア推進リーダー養成研修などの支援を行っていますが、これらに加え、介護職全体の社会的な評価の向上が必要であります。
 また、待遇面では、これまで介護職員処遇改善交付金や介護職員処遇改善加算により待遇の改善を図ってまいりましたが、福祉施設介護員の平均年収は307万2,000円、ホームヘルパーは289万1,000円と、企業規模10人以上の産業平均年収463万6,000円に比べ、給与水準はまだまだ低い状況にあります。
 今回の介護職員処遇改善加算の充実により、介護職員の待遇が月額1万2,000円のアップが可能となりましたが、介護報酬全体が引き下げられたことから、介護職以外の職員とのバランスを考えると、介護職員の待遇が本当に改善されるのかとの懐疑的な見方もあります。
 そこで、県として介護職全体の社会的評価の向上や、処遇改善などの職場改善が全ての事業所において徹底して取り組みがなされることが必要でありますが、これらを踏まえ、離職防止対策にどのように取り組まれるのか、ご所見をお尋ねいたします。

介護人材の新規リクルートの開拓について

 質問の3点目は、介護人材の新規リクルートの開拓についてであります。
 週末の新聞折り込みの求人チラシには、本当に多くの介護人材の募集広告が掲載されています。昨年10月現在の介護関係職種の有効求人倍率は、全国で2.42倍、兵庫県では2.53倍と高い水準で、全国的に都市部ほど求人倍率が高くなる傾向が見られるなど、県下でも阪神間などの都市部での採用難の厳しさがうかがえる訳であります。
 先ほどの特別養護老人ホームのお話によりますと、これまでの退職者の補充などの求人は、給与などの待遇を引き上げることにより何とか人材を確保することができていたようでありますが、最近では、待遇を引き上げるだけでは人材の確保ができず、また、確保ができたとしても市内近隣の施設からの再就職者であるなど、複雑な思いがあること、また、併せて介護職員の高齢化も心配とのことでありました。
 介護業界全体で見ると、これまでは離職者がある一方で、それに見合う参入者があり、何とか成り立っていたものの、最近では介護業界からの離職が止まらず、新規参入者が縮小し続けているのではないかと、大きな危機感を抱くのは私だけではないと思います。
 このような中、国では厚生労働省の検討会での外国人介護人材の受け入れを容認する中間報告を受け、法改正が行われようとしています。コミュニケーション力の確保など、まだまだ容易ではありませんが、人材確保の有効な手だての一つとして期待したいところであります。
 また、他の都道府県では、社会福祉法人が独自に奨学金制度を作り、高校と連携を始めたとの報道もありました。県でも、龍野北高校、日高高校への福祉科の設置、県福祉人材センターでのマッチング、介護福祉士等修学資金制度の活用など人材確保対策が進められ、来年度は、医療・介護推進基金を活用して、介護人材確保が困難な但馬・丹波・淡路地域の事業者を対象とした就職フェアなどに新たに取り組むと提案されていますが、介護分野は慢性的な人材不足の状況にある中、根本的に介護を志す人材を創出することにも、もっと目を向けるべきではないかと考えます。
 そこで、介護人材確保に当たっては、中高生への介護現場の魅力発信などのソフト面での充実や、高校の学区ごとへの福祉科設置等の福祉を志す若者を後押しする就学支援などにより、新規リクルートにつながるパイプを太くしていく取り組みが必要と考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

介護離職防止のための仕事と介護の両立について

 質問の4点目は、介護離職防止のための仕事と介護の両立についてです。
 2025年に団塊世代の方々が後期高齢者に、そして、その子供である団塊ジュニア世代の方々は50歳を過ぎた頃となります。子育ては、およそ一段落し、まさに働き盛りで、社会の第一線での活躍が期待される頃となりますが、また同時に両親の介護にも直面することになります。それだけに、介護は高齢者だけの問題ではなく、我々自身の問題でもあります。
 明治安田生活福祉研究所とダイヤ高齢社会研究財団が、仕事と介護の両立と介護離職に関する調査を行いました。親の介護を経験した、または、している40歳以上の男女のうち、介護開始時の働き方が正社員の人を対象に、2,268人から回答を得たものであります。
 この結果によりますと、介護を理由とした転職者や介護専念者の5割強の人が、介護開始から1年以内に離職をしています。離職のきっかけは、自分以外に親を介護する人がいないとの回答が男女、転職者、介護専念者を問わず20%を超え、最も多い一方で、介護専念者の女性の5人に1人が、自分で親の介護をしたかったと、自ら進んで決断しているのが特徴的でありました。
 また、女性の転職者は、仕事と介護の両立に精神的限界を感じたや、これ以上会社にいると迷惑がかかると思った、職場での理解が得られなかったなど、職場環境に要因のある回答が多くあります。
 介護をするために、ある程度覚悟を持って転職、離職を決断した人が、正社員に転職できたのは、男性の3人に1人、女性5人に1人で、平均年収も、男性では556万円から341万円に、女性は350万円から175万円へと大幅にダウンするなど、自分の選択を否定する者が多くあり、転職を後悔している人も少なくないと分析をしています。
 併せて、男性の場合、配偶者ありや年収が多い場合、また、男女とも子育ての所得確保が必要なケースでは離職が抑制される一方で、男女とも資産が多い場合は、離職のハードルが下がっています。また、介護専念者の7割が、自分の選択に肯定的であることも分かりました。
 さて、ここからが本題です。
 離職することなく、同じ職場で働き続けている方々も多くありました。これらの方々は、一般的な休暇に加え、介護休暇制度や、労働時間や日数の短縮制度など、さまざまな社内の制度を利用し、職場の介護に対する理解、支援が得られたとしています。職場環境が支えとなり、本人の仕事を続けたいとする意思が介護離職を防いでいることが分かりました。
 このような中、県では、平成21年度に、ひょうご仕事と生活センターを開設し、中小企業を中心に、介護等の理由で離職した者の再就職支援や介護休業代替要員採用に当たっての助成を通じ、ワーク・ライフ・バランスの確保に努めていますが、さきのアンケートにあるように、大変厳しい現実がある訳であります。
 冒頭申し上げましたとおり、2025年には、県民の5人に1人が75歳以上の高齢者となります。企業の経営者や介護する人と同じ職場で働く人はもちろんのこと、全ての人が介護を自らの問題として考え、理解を深めていくことがまず必要であります。その上で、少し長い取り組みになるかもしれませんが、社会全体として働き方を変え、介護しながら働くことが当たり前の世の中にしていかなければ、急激な人口減少と高齢化が同時進行する状況の中では、社会全体が深刻な雇用の不安定な状況になることも危惧される訳であります。
 そこで、県として介護離職の現状や再就職が困難な状況を踏まえ、休暇がとりやすい職場の環境整備など、仕事と介護のバランスの確立にどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。

介護保険制度利用による福祉用具の購入及び住宅改修費の利用者の支払い方法について

 高齢者介護の最後の質問であります。介護保険制度利用による福祉用具の購入及び住宅改修費の利用者の支払い方法についてであります。
 介護保険制度利用による福祉用具の購入及び住宅改修費を利用者に支払う際、利用者がその経費を全額事業者に支払った上で、保険者に対し介護保険申請を行う償還払いが基本となっていますが、市町によっては、利用者が保険適用分の経費の1割を事業者に支払い、残る9割を利用者の委任に基づき市町から直接受領委任払い登録事業者に支払う受領委任払いを可能とするところもあります。
 県下の市町の状況を見ますと、住宅改修費については、高砂市等を除き受領委任払いが可能となっていますが、福祉用具購入費については、神戸市をはじめ、尼崎市、西宮市など、まだまだ償還払いの自治体が多くあります。福祉用具の中にも高額なものもあるようで、今すぐ必要とする利用者の一時的な経済的負担軽減も必要であります。
 そこで、県下の全市町で受領委任払いを可能とすべきと考えますが、県として、この件をどのように認識し、課題解決に向け、いかに取り組んでいこうとしているのか、お尋ねをいたします。
 以降の質問は、質問席で行います。

○知事(井戸敏三) 

 民主党・県民連合議員団の岸口実議員のご質問にお答えいたします。
 私からは、まず介護人材の新規リクルートの開拓についてお答えします。
 介護人材の確保に当たりまして、介護の仕事のやりがいや魅力を将来の担い手となる多くの若者たちに発信し、介護職場への理解とイメージの向上を図ること、これは大変重要なことだと考えています。
 このため、介護職場の体験を行うことが、理解を深めるために非常に有効です。現在実施していますのは、大学生や専門学校生徒を対象とした福祉体験学習事業を行っておりますが、その対象人数を来年度からは拡充する予定です。また、新たに高校生、大学生や、その親を対象とした施設見学バスツアーを、300人程度実施する予定にしております。
 さらに、イメージアップを図るための試みです。この事業といたしまして、高校の文化祭や大学祭への事業団体と連携したキャラバン隊を派遣いたします。また、介護施設で活躍する若手職員を紹介するプロモーションビデオを作成して、理解を深めます。さらに、若手介護職員の中学校、高等学校訪問による啓発活動なども実施してまいります。
 公立高校における福祉に関する教育についてでありますが、龍野北高校と日高高校に福祉科が設けられております。この福祉科では、介護福祉士の国家試験受験資格を取得することができますので、このような意味での人材養成を行っております。国家試験の合格率は、ほぼ100%であります。
 普通科等におきましても、福祉に関心、興味を持つ生徒のために、コースや類型を設置し、全ての学区で福祉を学べる体制を整えております。このうち、県立高校7校、私立高校1校で介護職員初任者研修課程を設けています。訪問介護員、ホームヘルパーの資格の取得のための課程であります。
 ご指摘の新たな学校の設置でありますが、現時点では、なかなか直ちにということでは難しいのでありますが、今後、生徒の学習ニーズに応じて、コースや類型の設置を含めて柔軟に対応してまいります。
 このような福祉のコースや専門に学んだ生徒たちに介護現場に就職してもらわなくてはなりません。ただ、専門コースの福祉科の卒業生の半分ほどは、上級大学とか短大に行かれます。ですから、専門的な関心を現場に結び付けていく、このことが、先ほど申しましたような職場体験ですとか、あるいは、イメージアップ事業などとタイアップしていくことが非常に重要だと、このように考えているものでございます。
 さらに、元気な高齢者が特別養護老人ホーム等で就労するため、知識や技術を習得される支援を行いましたり、高齢者の短時間雇用を行う社会福祉法人等の支援を行っております。
 これらの取り組みを推進して、多くの若者や担い手が介護の仕事への理解を深め、介護職場への就労意欲を高めることにより、介護人材の開拓、その確保を図ってまいります。よろしくご指導をいただきたいと思います。
 続いて、介護離職防止のための仕事と介護の両立についてです。
 平成24年の県内の介護理由による離職者は、年間で5,300人程度であります。今後、高齢化率の上昇による要介護者の増加に伴い、将来、介護を行うことが必要となる就業者の増加が予測されます。
 要介護者を抱える40から50代の就業者が離職した場合、その後の再就職が困難なケースが多い実情ですし、企業にとりましても、中核となる人材の離職は大きな損失となります。仕事と介護の両立は、今後、ますます重要な課題です。
 本県では、仕事と生活センターにおきまして、介護に対する情報不足から、将来の介護に不安を感じている就業者向けにハンドブックを作成し、介護に直面した場合に利用できる介護休業、介護サービス等の支援制度、さまざまな介護サービスの相談窓口である地域包括支援センター等の周知に努めています。
 企業に対しましても、今年度、県下4ヵ所でセミナーを開催しましたり、企業研修への講師の派遣などによりまして、短時間勤務制度など柔軟な働き方の導入促進を図り、企業内の相談体制や支援体制の充実を行うこと、職場での介護への理解を高めていく事業の展開など、介護をしながら働き続けられる環境づくりを支援しておりますが、更に強化をしてまいります。
 さらに、介護休業期間中の賃金の4割を支給する国の介護休業給付金や、介護による離職者を雇用した事業主に対する県の助成制度等の利用促進を図り、介護休業者の生活支援や介護離職者の再就職支援にも努めてまいります。
 今後とも、こうした取り組みの充実に加えまして、やはり基本となります定期巡回・随時対応サービスや、小規模多機能型居宅介護などの介護基盤の整備を促進する必要があります。このような対策と相まちまして、介護者の負担軽減を図りながら仕事と介護を両立できる環境整備に努めてまいります。これからも、よろしくご指導をお願いしたいと思います。

○健康福祉部長(太田稔明) 

 私からは、まず弱小の社会福祉法人への対応についてお答えを申し上げます。
 平成27年度の介護報酬改定は、賃金・物価の状況、介護事業者の経営状況等を踏まえて基本報酬を減額する一方で、介護人材確保対策や中・重度の要介護者、認知症高齢者への対応などに重点配分されました結果、全体で2.27%減額されたものでございます。
 特別養護老人ホームの基本報酬改定は、多床室及びユニット型個室のいずれも6%減の改定率になっておりまして、定員50人以下の小規模な特別養護老人ホームの場合には、年間500から800万円程度の減収が見込まれます。
 しかし、安定的経営に必要な利益が確保できるよう、各サービスの収支、施設の規模、地域の状況等に応じて、めり張りもつけられております。特に、介護福祉士が多い等良好なサービス提供体制を整備する事業所や地域に密着した小規模事業所への加算措置により、国は介護サービス事業者全体で、平均4%の利益率を確保できる見込みとしております。
 なお、県内の特別養護老人ホームで組織をいたします兵庫県老人福祉事業協会が実施をいたしました県内の特別養護老人ホームの収支調査においては、厚生労働省の介護事業経営実態調査と異なる結果が出ており、厳しい状況でございます。
 今回の介護報酬改定の影響によって求められる介護サービス基盤の充実強化に支障を来さないよう、関係団体と連携し、適宜、必要な改善措置を講じるよう国に提案してまいります。
 次は、離職防止対策でございます。
 今後、ますます増大をいたします介護需要に対応するためにも、介護人材の離職防止対策は極めて重要でございます。介護職員の地位向上、それから、ご指摘のように、職場環境や待遇の改善が必要と考えております。
 県は、これまでにも福祉関係団体によるキャリアアップ研修、介護職員実務者研修の受講促進等で、介護人材の専門性の向上に努めてまいりました。また、介護職場のやりがいや魅力を県民に伝える講演会を開催し、そのイメージアップも図っております。
 来年度は、一つには、若手介護職員が学校を訪問し、中学生や高校生等に介護職のやりがいや魅力を直接伝えますとともに、二つには、家族にも介護職を理解してもらう啓発パンフレットを配布する、いわゆる介護業務イメージアップ作戦を展開をいたします。
 また、三つ目には、県福祉人材センターにアドバイザーを配置して、介護事業所に出向いて労働環境やメンタルヘルス対策などの相談に応じますほか、労働環境と施設利用者の処遇の改善を図る自動排せつ処理機の導入の支援、産休等の取得に係る代替職員補助等を実施をいたします。
 今回拡充されます処遇改善加算については、介護職の給与が同じ職場の看護職や他の産業を大幅に下回る実態等を踏まえ措置されたものでございます。県としても、積極的に活用するよう呼び掛けますとともに、基本給を上げるが賞与等は下げるといったようなことのないよう、処遇改善計画を提出させ、確実に執行するよう指導してまいります。
 今後とも、キャリアアップ支援や魅力ある職場づくりなど、2025年に向け、人材確保と定着の取り組みを一層強化してまいります。
 次は、介護保険制度利用による福祉用具購入等の支払い方法についてでございます。
 高額な福祉用具の購入や住宅改修を行った利用者の経済的負担を軽減し、このような介護サービスを利用しやすくするという意味で、受領委任払い方式は一定の効果があると認識をいたしております。
 県内市町における受領委任払いの状況は、本年1月末現在、福祉用具購入は23市町、住宅改修は30市町がそれぞれ実施をしており、両方未実施は11市町となってございます。未実施の市町は、その理由を、一つには利用者等からの要望が少ないこと、あるいは、利用者と事業者の受領委任に係る事務処理が煩雑になること、福祉用具購入は利用者負担が比較的少ないことなどを挙げておられます。
 こうしたことから、受領委任払いの実施は、基本的には利用者からの要望の有無を勘案の上、市町が導入の適否を判断するものと考えておりますが、県としては、実施市町の事務処理手続の方法等を未実施の市町に情報提供することなどによりまして、介護サービスを円滑に利用できる環境整備に努めてまいります。
 私からの回答は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○(岸口 実議員) 

 知事から、リクルートの部分について体験が重要だというご答弁をいただきました。私もそのとおりだと思っておりますし、特にその答えというのは持ち合わせていないんですけれども、やはりこれから2025年に兵庫県でも、全国で30万人ですから、兵庫県に直しますと恐らく1万人を超えるような規模での不足が予想されています。そうなりますと、どうしても新規参入のパイはですね、強くしておかないかんということになると思います。
 そこで、1点だけ再質問なんですけれども、この高校のトライやる・ウィークなんかでもね、子育ての分野ですと保育士さん、憧れといいますか、そういう思いがあってですね、やっぱり体験に行かれるんです。ただ、介護現場となりますとですね、そういう体験すらなかなか積極的に来ていただけないというふうな現状があるようです。そういう意識の改革をどうしていくのかというのが一番の課題になるかと思うんですが、知事の思いがございましたら、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

○知事(井戸敏三) 

 トライやる・ウィークなどは、非常にいい機会だと思っていますが、おっしゃいますように、難しいところ、困難なところは避けがちだという傾向がない訳ではありませんので、やはり重要性を訴えていかなきゃいけないのではないかと思います。
 最近、余りにもですね、処遇が悪い処遇が悪いと言われ過ぎている嫌いもあるのではないかというふうに思います。私は、そういう意味で、逆に現場を知っていただくということは非常に重要なのではないか、このように思って、工夫をしていきたいと考えています。
 それと、先ほど答弁にもあえて触れさせていただきましたが、高齢者の方々が技術を身につけて、介護現場でやれることを積極的にしていただくということが、その介護を受ける側の気持ちもよく通じる方々でありますので、そのような意味で、高齢者の方々の活躍の場としての介護現場ということを更に強調していきたいと思っています。これも、現場でどんなことをされているのかが余り理解されずに敬遠されているというところもあるのではないかと思いますので、若い人と高齢者、両者に対しまして積極的に働きかけをしていきたい、このように考えております。

○(岸口 実議員) 

 積極的な展開を期待をしたいと思います。

農水産物オール兵庫での輸出促進、連携について

 そして、最後の質問に参りたいと思います。
 農水産物オール兵庫での輸出促進、連携についてであります。
 TPP交渉が大詰めを迎えており、今後の交渉次第では、県内の農水産業に大きな影響を及ぼします。県では、さきの緊急経済対策の補正予算にも、農産物直売所での購入促進キャンペーン事業が盛り込まれていますが、これまで、県では農・漁業者の経営安定のため、県産農水産物の出口対策として、消費拡大・販路拡大をめざし、6次産業化の促進や直売所の整備などを進めてきました。
 また、平成22年には、ひょうごの美味し風土拡大協議会を設立し、輸出促進に取り組んでいますが、安全性、品質などの優位性を発揮した海外での兵庫県産ブランドのより一層の確立を進め、更なる輸出を拡大させなければなりません。
 しかしながら、輸出は容易なものでなく、現地の食文化や販路開拓、輸送方法・コストなど、解決すべき幾つもの難題があり、これらを克服するのに多くの時間とコストを費やすことになります。
 これまでの県産農水産物の主な海外展開を見ますと、平成24年2月に神戸ビーフをマカオへ初輸出したのを皮切りに、香港、アメリカ、タイ、シンガポール、EU等へ順次販路を拡大させるとともに、兵庫県産米についても、平成24年11月の香港への輸出を皮切りに、オーストラリア、ドイツ、台湾、アメリカなどへ輸出が始まっています。
 また、輸出促進に向けては、会派でも平成25年11月に現地調査を行いましたが、県が香港の日系スーパーで、JA兵庫六甲、JAあわじ島などと連携し、イチジク、柿、タマネギなどの県産農産物の試食販売、消費者調査を行う兵庫農林水産フェアの開催や試験的な通年販売を実施したところ、好評により、平成26年6月からは、淡路島たまねぎ、イチジクなどの県産農産物の通年販売を行っていると聞いております。
 一方の水産物でありますが、兵庫県漁業協同組合連合会が、ブラジルでのノリ販売をめざし、5年前から現地での販売調査を行い、今年、現地での焼き海苔販売や焼き海苔加工についてパラナ州等で説明会を開催したと聞いております。
 以上のこれらは一例でありますが、それぞれの取り組みは確かな成果を上げており、販売ルートなどの貴重なノウハウを蓄積しています。それぞれの農・漁業者が、これらの情報を共有することにより輸出へのハードルは確実に下がり、一体的な取り組みによる輸送コストの削減をはじめ、多くのメリットが出てくると考えます。
 そこで、農水産物輸出で築き上げた販売ルートなどのノウハウを相互に活用したり、各分野中心の取り組みでなく、オール兵庫で県が先導して、これまでの情報を共有させた戦略、取り組みが必要と考えますが、これらを踏まえたオール兵庫での農水産物の輸出促進連携について、お尋ねをいたします。

○知事(井戸敏三) 

 安全・安心で高品質な県産農水産物の輸出促進は、今後の農業改革を進める上でも、一つの大きな柱として取り組んでいかなければなりません。この場合に、高価格販売や出荷時期調整などによります有利な販売をめざしていく必要があります。これらの取り組みを拡大し、しかも生産者等の所得向上と経営安定につないでいく必要があります。
 このため、まず輸出品目の拡大をめざして、香港を中心に県産農水産物の国際見本市への出展や商談会を実施してきました。昨年度からは、輸出量の拡大に向け、ご指摘のような百貨店での県産農産物の通年販売などに取り組んでいます。その結果、神戸ビーフは、25年の12トンから35トンに、淡路島タマネギは、25年の1.3トンから24トンに、そして兵庫米や明石だこ、日本酒などの輸出拡大に一定の成果を上げてきました。
 これを更に拡大していくために、JA・企業等単独の取り組みで行いますと、まず輸出ノウハウやブランド情報発信力が不足します。二つに、輸出品目や量の拡大に結びつく商談機会が少なくなり、参加範囲も限定的になります。三つに、物流コストが割高になるなどの課題があります。生産から流通、販売に携わる各種企業、団体が幅広く参画し、輸出に関する現地の商習慣など、さまざまなノウハウを共有し、相互に活用できる体制整備が不可欠です。これは、ご指摘にあるとおりだと思います。
 このため、今年度新たに県が先導しまして、ジェトロ神戸とか商社、輸出志向の高い農林水産団体・企業など、約110の関係者が参画しました、まさしくオール兵庫での輸出促進体制「ひょうご農畜水産物・加工食品輸出促進ネットワーク」を整備しました。企業等が持っています輸出ノウハウの共有や、ブランド情報の発信を強化しようとするものです。併せまして、合同商談会の開催を行います。3番目に、輸送時の品質保持や物流コスト低減試験の検証などの取り組みも進めております。
 さらに、この本年5月開幕のミラノ国際博覧会に、「兵庫デー」――これは7月の16日から19日になりますが、兵庫デーを設定し、兵庫が誇る県内各地の数多くの「農」「食」に併せまして、「観光」も含めた兵庫の魅力をミラノから世界に発信し、EUや北米への輸出エリアの拡大などをめざしてまいります。
 また、夏になると思われますが、パラナ州と兵庫県、友好提携45周年になります。この代表団の中には、ご指摘ありました兵庫漁協の方が、ノリの販売ルートの確立をめざして、さらに代表団を派遣したいとも言われているところでございます。
 今後とも、このようなあらゆる機会を活用するとともに、先ほど申しました関係者全体の集まりであります輸出促進ネットワークなど、オール兵庫の取り組みを充実いたしまして、輸出品目・量の拡大に努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。

○(岸口 実議員) 

 もう時間がございませんので、一言申し上げて質問を終わりたいと思います。
 知事おっしゃられましたとおりですね、民間の同業者ですと、やっぱり競争関係にありますから、なかなかノウハウの提供がしづらいということですけれども、やはりこういうときにこそ、県のような公的な部分が前へ出ますとですね、同業者は難しいかもしれませんが、異業種であれば、どんどんノウハウを出してもらえるという環境が整うと思います。ぜひ、そういう県の優位性を生かして施策の展開をお願いしたいと思います。

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