第345回 9月定例県議会 一般質問

 

質問日 : 令和元年10月1日(火)

質問者 : 岸口 実 議員

質問方式 :分割

 
○(岸口 実) 皆さん、こんにちは。
 明石市選出の岸口でございます。
 気が付けば55を過ぎまして、すっかり初々しさがなくなりました。しかしながら、4年ぶりの質問でありますから、緊張感を持って臨みたいと思います。通告に従いまして、4項目7問、場合によっては8問になるかもしれませんが、最後までよろしくお願いを申し上げたいと思います。

戦略的なインバウンド対策について

 一つ目の項目は、戦略的なインバウンド対策について、三つの視点からお伺いをいたします。

(1) 神戸空港の国際化へ向けた対応について

 まず、その一つ目は、神戸空港の国際化に向けた対応についてであります。
 国は、訪日外国人旅行者について、平成28年に明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、2020年には4,000万人、2030年には6,000万人の達成を目標としました。続く平成29年には全国27の地方空港を訪日誘客支援空港として認定し、新規就航、増便対策、施設整備等の支援が行われました。その結果、21の空港で国際旅客定期便が週当たり42路線135便の新規就航または増便が実現し、昨年、地方空港から入国した訪日外国人旅行者数が対前年比2割増の約171万人となるなど順調に増加をしています。
 また、本年6月に公表された観光ビジョン実現プログラム2019では、Wi-Fiなどの環境整備や新しい観光コンテンツの開発に加え、首都圏の羽田及び成田空港の発着回数の増、そして、新千歳、中部、福岡、那覇空港では、出入国の円滑化を強化する取組が進められています。
 一方の関西空港は、開港から25年を迎え、昨年度の利用客は過去最多の2,940万人に達したというものの、主要な施策が盛り込まれておらず、大変残念でなりません。
 併せて先月5日付、日本経済新聞には、「台風教訓に脱関空依存」と題し、パナソニックなど関西の工場からの輸出について、成田や中部国際空港への分散を進めたことが報道されました。関西3空港が今後ますます激化する空港間競争に埋没しないよう、活性化と奮起を期待したいところであります。中でも一番の期待は神戸空港の早期の国際化であります。
 本年5月開催の関西3空港懇談会により、神戸空港の規制緩和が決まり、20の発着枠が増加したことから、旅客数、収支計画ともに上方修正されたところですが、国際化については2025年頃までの中期取組としての検討課題にとどまっています。3空港懇談会で合意した時間軸に沿って、国際化に向けた取組を着実に進めなければなりません。原則年1回程度の開催とされる3空港懇談会を適時開催し、議論を重ねるとともに、就航便の調査研究など、国際化後を見据えた準備が必要であります。
 国籍、地域別に応じた言語対応、交通環境の整備など、やらなければならないことは多くあります。いつ、どこから、どれぐらい飛んでくるのかが分からなければ具体的な受け入れ準備もできません。神戸空港の国際化は、あくまでインバウンドを拡大させるための手段であり、神戸空港から大阪や京都に直行されては意味がありません。
 そこで、今後、県として神戸空港の国際化に向けどのように取り組むのか、ご所見をお伺いいたします。

(2) インバウンドによる地域経済活性化について

 この項の質問の二つ目です。インバウンドによる地域経済活性化についてお尋ねをいたします。
 公益財団法人日本交通公社編著によるインバウンドの消費促進と地域経済活性化では、地域の経済効果を高める三つの視点として、一つは、旅行者を増やすこと、二つは、1人当たりの消費単価を上げること、そして三つには、域内調達率を高めることが紹介されています。
 また、本年7月、観光庁より本年4-6月期の訪日外国人消費動向調査1次速報の概要が発表されました。対象が全国であることなど、考慮すべきことはありますが、ここから消費動向を読み取ることができます。訪日外国人1人当たりの旅行支出は、前年同期比7.8%増の15万7,000円で、国籍・地域別ではフランスの24万2,000円、英国の23万5,000円、オーストラリアの23万2,000円が高くなっており、加えて宿泊費や飲食費でも欧米豪地域が高い傾向が見られました。一方、東アジア地域では、買い物代が宿泊費を上回り、中国は旅行支出総額の半分以上を買い物代に充てています。
 訪日外国人目線に立った消費行動を知ることが重要で、これまでのゴールデンルートに、国籍・地域別ごとの傾向、ニーズを取り入れることによって、消費単価の引き上げが可能となるのではないでしょうか。
 また、訪日外国人は時間や費用の制約があり、全ての方々が県下をくまなく周遊することはできません。県下のどの地域を訪れても、兵庫五国を堪能できるような取組を進め、訪日外国人が来ない地域であっても経済効果を共有できる仕組みづくりが必要と考えます。
 そこで、訪日外国人の消費単価の向上や域内調達率の向上に向けた対策など、県としての地域経済活性化への取組について、ご所見をお尋ねいたします。

(3) 観光人材の育成について

 この項の質問の3番目であります。観光人材の育成についてであります。
 先月、総務常任委員会の管外調査で熊本県の株式会社くまもとDMCを訪問し、観光事業による地域活性をテーマに調査を行いました。株式会社くまもとDMCの事業概要については割愛させていただきますが、元県の職員、観光団体職員、金融機関社員らにより運営され、手探りの状況であることをうかがい知り、人材の重要性を痛感したところであります。
 やはりインバウンド対策はともより、観光事業の活性化のためには、観光人材の育成が肝心です。観光ビジョン実現プログラム2019には、観光経営を担う人材の育成、観光の中核を担う人材の育成、即戦力となる実践的な観光人材の育成が関連施策として取り上げられています。
 近畿圏内においても、インバウンド競争に後れをとっている実態等を踏まえ、県として、これらの人材育成にどのように取り組まれるのか、ご所見をお尋ねいたします。
 以降の質問は質問席から行います。

○知事(井戸敏三)

 維新の会議員団の岸口みのる議員のご質問にお答えいたします。
 私からは、神戸空港の国際化についてであります。
 今年5月に開催された関西3空港懇談会では、3空港の最大の活用に向け、ワールドマスターズゲームズ2021関西までの短期、2025年大阪・関西万博までの中期の時間軸をもって取組を進めることにしました。
 神戸空港については、短期的には国内線発着枠と運用時間の段階的拡大を図っていくこと、空港アクセスの強化を検討すること、プライベートジェットの受け入れを推進することとされています。
 中期的には国際化を含む空港機能のあり方の検討を行う。さらに、国際イベント開催時の国際チャーター便の対応については、懇談会でその時々に議論して検討するということになりました。
 一方で、空港需要が拡大を続け、関西空港では、平成30年度発着回数は19万回に達しました。環境アセスの上限は23万回でありますので、この上限に迫っていることから、関西エアポート等は将来需要に応じた発着可能回数の拡大を検討することにされています。
 県としては、この検討と併せて、神戸空港の国際化を含む規制緩和を一体的に行うべきだと考えております。早期の次期懇談会開催を働きかけ、しっかりと検討してもらう予定です。
 このためにも受け入れ基盤の強化が不可欠で、神戸空港の国際化や発着枠拡大に対応したターミナルビルの拡張や交通アクセス強化を含めた将来像を明確にしていく必要があると考えています。
 まずは当事者である関西エアポート神戸と神戸市が主体的に検討し、航空会社の国際便就航の意向も踏まえながら、早期に具体的な計画をまとめるよう要請をしております。県としても必要な協力は行ってまいります。
 また、国際化に伴う必要な税関等の体制整備についても国に対して神戸市経済界ともども要請を行っていきます。
 さらに、国際化後を見据えて、観光案内所、観光施設の多言語対応や翻訳機器導入などを支援して、受け入れ環境整備を進めてまいります。
 併せて兵庫の魅力を発信し、県内への外国人観光客の誘客にも取り組んでいく必要があります。今後拡大するインバウンド需要を確実に取り込むため、ひょうご観光本部や神戸観光本部をはじめ神戸市経済界等と連携して、神戸空港の国際化に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○産業労働部長(谷口賢行)

 私からは、まずインバウンドによる地域経済活性化についてです。
 平成30年度の県内観光消費額は1兆2,859億円、経済波及効果は約1.5倍の1兆8,642億円となりました。観光産業は裾野が広いため、製造業や商業、農林水産業にも直接・間接の効果が及びます。
 県内の経済効果を高めるため、まずは旅行者数の増加に向け、インバウンドの拡大が見込めるゴールデン・スポーツイヤーズや、大阪・関西万博を機に、県内周遊へと誘導してまいります。
 一方、ご質問にもありました訪日外国人消費動向調査等によりますと、本県のインバウンドは、宿泊日数が少なく、滞在時間が短い、消費単価の上積みにつながる買い物、娯楽等サービスへの支出が少ない状況にあります。
 このため長期滞在につながるスポーツや健康をテーマとするプログラムを創出しますとともに、富裕層向けには付加価値の高い観光ツアーを開発し、消費単価の引き上げを図ってまいります。
 また、域内調達の拡大を図るため、ひょうごゴールデンルート上の拠点やアンテナショップにおいて、五国ごとの特色を備えた五つ星ひょうごをはじめ、特産品の販売機会を増やしてまいります。
 レストランやホテルにおいても、兵庫県認証食品を使った料理を提供するイベントの開催などにより、県産食材の利用を拡大します。
 これらの取組を通じまして、インバウンドの訪問が少ない地域も含めて、県内全域に経済の活性化につながる好循環を目指してまいります。
 次に、観光人材の育成についてです。
 本県観光の競争力を高めるためには、観光産業をリードするトップレベルの経営人材をはじめ、地域観光のマネジメントなどを担う観光の中核人材、フロント、客室係など、実践的な人材をそれぞれ確保・育成することが重要と考えています。
 トップレベルの経営人材については、宿泊施設、公共事業者の経営者がひょうご観光本部の役員として、本県ツーリズム戦略の推進に参画いただいているところであり、今後はその知見を生かして、後継者となる人材の育成にもつなげてまいります。
 次に、観光の中核人材についてですが、観光地の実情を理解をしてもらうということが重要になってくることから、県内の観光学科を有します大学と観光地を橋渡しをしますことで、効果的な現地実習が実施できるように支援を行っています。兵庫の魅力を発信できる人材の育成につなげていきたいと考えてます。
 今後は2年後に開学予定の国際観光芸術専門職大学、仮称でございますが、ここにおいて地域資源の発掘、観光地づくりにも力を発揮できる人材を養成していきます。また、兵庫観光本部においては、国家資格である通訳案内者を対象に、多くの魅力を学ぶ研修を実施しまして、地域ガイドが養成されています。
 最後に、実践的な人材についてですが、ここは喫緊の課題である人手不足対策ということで、新卒者向けのインターンシップ、それから客室係等を体験する現地視察ツアー、転職者向けの就職説明会の実施により、人材を確保しつつ、おもてなし研修など技能の向上にも取り組んでいます。併せて、従業員の就労環境の充実を図るために、今年度より社員寮の整備経費を中小企業融資制度の対象ともしました。
 今後とも業界団体とも連携を図りまして、人材の育成を進め、本県へのインバウンド誘客を推進してまいります。

○(岸口 実)

 1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、神戸空港の国際化についてですが、懇談会で手順等が決められたということはよく理解をしています。ただ、一方で、この国際化後を見据えたとなりますが、より効果を高めていくためには、やっぱりおもてなしの基本である相手をしっかり知ることというのが大事だと思うんですね。ですから、どういうところからどれぐらいの期待ができるのか、飛んでくる予測ができるのか、こういうことをやっぱりしっかり認識した上でのほうが、国際化後の効果がより高くなると感じるんですが、その辺について知事のご見解をお願いしたいと思います。

○知事(井戸敏三)

 神戸空港の滑走路は2,500メーターです。2,500メーターで国際化を前提としますと、アジア圏が対象になり得ると考えられます。したがいまして、アジア圏のさしずめどこをどう優先順位をつけるべきかということは、念頭に置かなきゃいけませんけども、問題は何便早く結べるかということにかかってきております。
 したがいまして、今ご指摘の点は十分踏まえながら、できるだけ早く門を開ける、この努力を重ねていきたい。
 そして、受け入れに当たっては、現時点では多いアジアのお客さんは、中国、香港、韓国、台湾、そして最近増えてきていますのがタイ、ベトナムというようなところですので、そのような国々が対象になっていくであろうとは想定しておく必要があると思っております。

○(岸口 実)

 ぜひ今後の国際化後の効果が高まるようにご努力をお願いしたいと思います。
 それから、2つ目、3つ目の質問でありますけれども、やっぱり域内の調達率を上げるというか、地域でその経済効果を共有していくというのは非常に大事だと思うんですね。県内だけの取組ではなくて、これはもう少し引いて考えますと、関西全域、京都でありますとか大阪、京都、大阪ではオーバーツーリズムという言葉が出始めたというふうに聞きました。そこに居住する方々が、余り好ましくないといいますか、その方々の生活に影響する、そういう数値にまで外国人の方、また観光客の方が押し寄せるということでありますから、こういったところから兵庫県に取り込んでいけるような、そんな施策を期待をしたいと思います。
 それでは、2つ目の質問に移りたいと思います。

長期化・高年齢化するひきこもりへの支援について

 長期化・高年齢化するひきこもりへの支援についてお尋ねをいたします。
 ひきこもりの家族会の方から、これまで実態把握が進んでおらず、高齢者の見守りや訪問介護の際に中高年者のひきこもりが発見される事例が多くあると聞きました。8050問題と言われるひきこもりの長期化・高年齢化は、今では9060問題とさえ言われ始めるなど、まさに待ったなしの課題であります。
 また、本年に入り、川崎市や練馬区で大変痛ましい事件が続きました。事件とひきこもりとの直接の因果関係はありませんが、事件を機にひきこもり問題への関心が高まっています。
 昨年12月、内閣府が初めて中高年者のひきこもりを調査し、40歳から64歳のひきこもりの数は全国で61万3,000人と推計されました。県内のひきこもりの数は、6月の知事の答弁にもありましたが、合計約5万1,000人と推計され、そのうち40歳から64歳では約2万7,000人となっております。
 40歳から64歳の調査では、ひきこもりになったきっかけの上位5つに、就職活動がうまくいかなかったことや、退職したことなどが含まれるなど、ひきこもりの長期化、高齢化が鮮明になっていますが、支援の具体像がなかなか見えてこない現実があります。
 ひきこもりの支援には、相談窓口の設置などの入り口での支援、居場所づくりなどの中間での支援、就労や医療ケアなど社会との接点をつなぐ出口での支援など、あらゆる年代のケースに対応した切れ目のない支援が必要です。
 このような中、県では昨年度からひきこもりの課題を抱える青少年等の支援を行うひきこもりサポーターの育成研修が始まりました。人材育成はまだスタートしたばかりですが、相談窓口や、居場所等での支援や、アウトリーチ活動など幅広い分野での活躍が期待されています。
 また、厚生労働省では、ひきこもりの一因にもなっている就職氷河期世代への支援プログラムとして、来年度から就職相談から職場定着まで一貫した支援をスタートさせるとの報道もありました。そして、今定例会の議案には、これまで主に青少年の相談業務を担ってきた青少年部局に加え、新たに健康福祉部が、中高年に対する支援を担うひきこもり総合支援センターを新設するなど、総合的な支援を進めることが盛り込まれています。
 これらにより、県の組織体制の強化やあらゆる年代、ニーズに対応した入り口支援の強化や、就労支援のみならず医療・福祉面からの支援の拡大など、大いに期待をされるところでありますが、課題解決に向け、県としてどのように取り組まれるのか、ご所見をお尋ねいたします。

○知事(井戸敏三)

 ひきこもりへの支援についてのお尋ねでありました。ひきこもりの総合支援対策といたしまして、当面、喫緊の課題への対応といたしまして、予算提案させていただいておりますが、福祉・医療とも直結した全年齢対応型の総合支援窓口、ひきこもり総合支援センターを県精神保健福祉センター内に設置することにしたいと考えています。
 併せまして、ひきこもりに対する総合的支援のあり方を検討する必要があります。
 1つは、ひきこもりの実態把握のための全県調査を実施したいと考えています。ひきこもりの方々の数ですとか、あるいはそのひきこもりの実態などについての詳細な情報がありませんので、これを把握したい。
 そして、2つには、元当事者や支援者、学識者等で構成する有識者会議を創設しまして、さらなる対策を検討していきたい、このように考えたものでございます。
 ひきこもりに関する支援機関や支援制度につきましての情報ポータルサイトにつきましても開設をいたしますとともに、ひきこもり総合支援センターが中心となりまして、当事者や家族が社会とつながる第一歩としての居場所を、県精神保健福祉センター等にモデル的に設置することにしたいと考えています。
 この居場所には、必要に応じてひきこもりを脱した方や、医療・福祉の専門職等のサポーターを派遣して、一人ひとりに応じた相談支援も行ってまいります。ようやくこのような総合的な対応ができるような状況になりました。
 一方で、ひきこもりを脱した方や支援者等から身近な場所に居場所があればよい、居場所に出るまでが一番大事だとの意見も伺っています。
 今後は、県内各地に居場所を広げる仕組みや、例えば家族を支援することにより、当事者を居場所につなぐなど、一歩を踏み出すための支援策をしっかり有識者会議でも議論いただこうと考えています。
 加えて、国の動向を見極める必要もあります。国などの既存事業の活用も図りながら、就労等の社会参加を含めたひきこもりの方の状態に応じた段階的な支援が行われるように、総合的なひきこもり対策を進めてまいりますので、どうぞよろしくご指導ください。

○(岸口みのる) 

 このひきこもりですけど、質問の中にも入れさせていただいたんですけど、やっぱり両親が高齢化が限界に来ていると思うんですね。両親が亡くなられた後、この後のことがやっぱり一番の心配事でありまして、社会との接点が見つけられなければ大変なことになってしまう。ですから、今のうちにこの社会との接点をどこかでしっかりと把握することによって、今後のケアがされるものと思います。期待をしておりますので、よろしくお願いします。

介護休暇・介護休業制度の普及啓発について

 次に、3つ目の質問です。介護休暇・介護休業制度の普及啓発についてお尋ねをいたします。
 6年後には、2025年問題と言われる国民の4人に1人が75歳以上となる超高齢化社会を迎えます。超高齢化社会は要介護社会でもあります。
 県内の高齢者の状況を見てみますと、75歳から84歳では人口54万5,412人に対し、要介護者数は11万4,954人と2割を超え、85歳以上では24万5,446人に対し15万5,210人と、実に6割以上の方々が介護を必要としています。
 要介護社会は、団塊ジュニア世代を中心に全世代が親の介護に直面する大きな課題でもあります。このような中、平成29年10月に育児・介護休暇の取得を促進し、仕事と家庭の両立を目指した改正育児・介護休業法が施行されました。
 平成29年度雇用均等基本調査によると、育児休業の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上では75%で、30人以上では93.2%となっており、休業取得率は女性が83.2%、男性が5.14%となっています。小規模事業所への対応や男性の取得率向上など課題はあるものの、育児休業制度の社会的な認知は進んでいると思います。
 一方、介護休業でありますけれども、制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上では70.9%で、30人以上では90.9%となっていますが、介護休業を取得した者がいた事業所の割合は2.0%と非常に低調で、男性の取得率はさらに低くなるなど、制度の活用が進んでいません。
 働き盛りの男性の休業や休暇の取得がたび重なると、事業主や職場からの理解が得られにくくなってしまうとも聞きますし、施設への入所を希望しても、なかなか入所できない現実があります。特に、中小企業では大企業に比べ介護休業制度の規定率が低い状況にありますが、企業のみならず、社会全体で、介護休業等の取得促進を図る環境づくりが求められます。
 そこで、県内企業の事業主に限らず、職場の上司、同僚などに対する意識改革を含めた効果的な普及啓発が必要と考えますが、県の取組について、お尋ねをいたします。

○産業労働部長(谷口賢行) 

 介護離職をする労働者ですが、全国で毎年、約10万人にのぼります。その多くは介護を担う40から50歳代、企業において中核的役割を担う年代です。そのような人材を失うことは、多大な損失であり、特に大企業に比べて組織も人材も脆弱な中小企業では、介護休業制度等の導入により、離職防止を図ることが、事業継続の面でも重要になります。
 このため、1つには、企業に対して介護に関する専門家を講師として派遣をしまして、基本知識と心構えについての研修を実施するなど、従業員の理解を高め、介護をしながら働き続けられる職場づくりに取り組んでいます。
 また、従業員向けには、仕事と介護の調和支援ハンドブックという冊子を作成をしまして、専門家の相談窓口であったり、要介護認定申請の方法、介護保険サービスの種類と使い方の紹介など介護に直面した場合に必要な情報の提供に努めています。
 県内の中小企業でも、両立支援のための、例えば企業内相談窓口を設けた企業であったり、それから、勤務時間区分を細分化し、事情に応じて選択できるシフト制を導入した企業、介護離職者を元の部署、身分で再雇用する企業など、先導的な取組は行われています。
 今後は、このような両立支援を目指す企業の参考となる事例を蓄積、そして提供することを通じまして、仕事と介護が両立できる職場環境づくりに向けた取組を一層進めてまいります。

○(岸口みのる)
 
 今、子育ての産休・育休、非常に社会で一般的になってきました。ただ、これも思うと、5年前、10年前を比べると、なかなか取得しにくくかったという事実があったと思います。ですから、こういった介護離職に、先ほどもご答弁ありましたけど、介護離職につながらないように、しっかりとサポートしていく必要がありますし、今から5年後にみんなが気軽に、気軽と言ったら怒られますけど、しっかりと休暇がとれるような社会になってほしいなというふうに思います。

県立明石公園の利活用促進について

 質問の最後です。県立明石公園の利活用促進についてお尋ねをいたします。
 明石公園は駅から非常に近く、利便性の高い県立公園で、国の重要文化財である巽櫓・坤櫓、国指定史跡の本丸跡のほか、トーカロ球場初めきしろスタジアム、ローンボウルスコート、自転車競技場、そして開館から45年を迎えた県立図書館など、多くの運動・文化施設を備えた公園であります。
 平成30年度の観光客入込客数は246万人、県下第3位でありますが、今年度は明石城築城400周年や明石市制施行100周年を記念するイベント、特に11月にはご当地グルメイベントでありますB-1グランプリin明石が開催され、2日間で40万人の人出が見込まれるなど、昨年度を大きく上回る来場者の伸びが期待をされています。
 また、明石城跡では昨年度から、樹木の伐採や剪定が進められ、南側の石垣がはっきり見えるようになったこと、併せて名称を明石城公園へとの声があるなど、話題も豊富で活性化の機運が高まっています。
 以上のように順調に見える一方、例年のイベントは行政から助成金を受けて行われるものも多く、助成金の動向がイベント開催に大きく影響することや、来年度以降はさきの周年に関連する記念事業がなくなるなど、課題も多くあります。そのため、イベントに偏らない施設整備による安定的な誘客対策も必要と考えます。

老朽化した運動施設の整備について

 そこで、質問の1点目です。老朽化した運動施設の整備についてお尋ねをいたします。
 ことし5月、トーカロ球場で、元プロ野球選手らによる少年野球教室や地元チームとの交流戦を行うドリームベースボールが開催されました。ドリームチーム監督で、400勝投手の金田正一氏が開会式の挨拶の中でトーカロ球場について触れ、「昔はよかったが今はみすぼらしい球場」と評され、来場者の笑いを誘っていました。もちろん、この「みすぼらしい」という表現は、施設の充実を求めたユーモアあふれる叱咤激励であります。
 夏の全国高等学校野球選手権兵庫県大会の決勝・準決勝の会場として戻してほしいという要望も聞かれるこのトーカロ球場でありますが、その利用は土曜日、日曜日、祝日が中心で、高校野球などの特別利用のほか、さまざまな野球大会の利用希望があり、予約が取りづらいのが実情です。
 また、雨天等による予備日を設定することから土曜、日曜、祝日の利用をより難しくさせています。一方、平日の利用は、特別利用を除くと低く、野球以外の活用も含めた抜本的な対策が必要と考えます。
 そこで、天候に左右されず、野球大会はもちろん、イベント、コンサート、展示会などの商業利用などに、これまでにないメリットが多く期待されるドーム型球場を検討してはいかがかと考えます。
 また、きしろスタジアムは、昭和24年の完成以来これまで第1種陸上競技場としてさまざまな大会に活用されてきましたが、公認の諸要件の強化により、平成30年4月以降は第3種競技場に格下げされ、使用できる大会の制限を受けますし、Jリーグの公式試合を開催するには規格が合っていないとも聞きます。
 NDK来夢・嬉しの森テニスコートでは、壁打ちの練習用の壁の設置要望や、ローンボウルスコートではワールドマスターズゲームズに向けた人工芝の張り替えなど、大小多くの要望が寄せられています。
 これらの要望を踏まえ、今後の運動施設の整備についてどのように取り組まれるのか、ご所見をお尋ねいたします。

自主財源確保対策について

 質問その2、最後の質問です。自主財源の確保対策についてお尋ねをいたします。
 県民や時代のニーズを反映しながら、設備の整備を行うには、支出の削減に合わせ、自主財源の確保が重要であります。
 県では自主財源の確保対策として、県下の公的施設を対象にネーミングライツを導入しています。明石公園内の施設では、第1球場は「トーカロ球場」、陸上競技場は「きしろスタジアム」、テニスコートは「NDK来夢・嬉しの森テニスコート」としてネーミングライツを導入し、財源の確保に寄与をしています。
 加えて、現在も募集中でありますが、築城400周年を記念した桜の苗木400本を植樹するプロジェクトとして、寄附金を活用した自主財源の確保にも取り組んでいます。
 また、過去には民間の金融機関や、ライオンズクラブやロータリークラブなど社会奉仕団体が社会奉仕活動の一環として、公園の案内板の設置やベンチの寄附などが行われてまいりました。しかしながら、これらは一過性のものであり、さきの社会奉仕団体も会員の高齢化や減少による資金不足などにより、活動の質量とも縮小傾向にあります。
 今後も継続的な自主財源が必要なため、公園内のベンチや樹木にもネーミングライツを導入したいところでありますが、破損や枯死により対象が消失する可能性があることから、ネーミングライツの対象となりにくいと聞いています。
 そこで、県立公園の施設に対して、オーナー制度を導入してはいかがかと考えます。県民の皆様にオーナーとして参画いただくことにより、公園により愛着が生まれてまいりますし、そのインセンティブとして県立施設への優待を行うことなどにより、他の施設にも大きくつながってまいります。
 県民ニーズに応える公園施設整備や機能を維持するためにも、これら新たな自主財源の確保対策を進める必要があると考えますが、県の取組について、ご所見をお尋ねいたします。

○まちづくり部長(出野上 聡)

 明石公園の利活用促進について、まず、運動施設の整備についてお答えいたします。
 明石公園における運動施設は、老朽化が進んできているものの、野球場、テニスコート、陸上競技場などで年間32万人以上に利用していただいており、現在も同公園の大きな魅力の一つとなっております。
 県では、こうした運動施設の維持や魅力向上策として、テニスコートの人工芝の張り替えや野球場のブルペン整備などに取り組んでおります。
 このほか陸上競技場でのスポーツショップや飲食施設の設置など、公園活用方策の提案を事業者から募るサウンディング調査を今実施しておりまして、民間資金による公園施設整備の検討を進めているところでございます。
 なお、野球場のドーム化は、現状変更が困難な史跡区域での工事等が必要となることから、容易ではありませんが、老朽化したテニスコートのクラブハウスの修繕を実施するほか、ローンボウルズ施設についても、ワールドマスターズゲームズ2021関西に向け、関係機関とも調整を行いながら、必要な整備を行ってまいりたいと考えております。
 現在、学識者等からなる明石城跡保存活用検討委員会を設置し、文化庁との調整も行いながら、保存エリアと活用エリアのゾーニング等の検討を進めているところでございます。
 これらを踏まえ、運動施設を含む公園全体のあり方を示すイノベーション計画を策定し、史跡の保存と運動施設の活用とのバランスのとれた整備を推進してまいります。
 今後とも、公園内の運動施設等を有効活用しながら、明石公園のさらなる利活用促進に努めてまいります。
 続きまして、自主財源確保対策についてお答えいたします。
 県民や事業者からの寄附等による公園整備につきましては、社会貢献活動の一環として、出資者の満足度の向上や、県民ニーズに応える公園施設整備の財源確保などの効果があると考えております。
 明石公園においては、野球場ほか3施設において年間720万円のネーミングライツ料を得ているところでございます。これにより、野球場に設置したドライミストにつきましては、夏場の球場において好評を得ているほか、陸上競技場でアスリートによる子供向けスポーツ教室を開催するなど、利用者サービス向上に役立てております。
 また、昨年度、218万円の広告収入が野球場においてあったほか、桜の植樹を実施するため、明石商工会議所など、県内外から2,400万円の寄附を募るなどの取組を行っております。
 さらに、老朽化施設の更新を進めるため、新たな財源確保の取組として、1つには、全額寄附者負担の遊具、トイレ等の施設を整備していただくかわりに、当該施設に寄附者名の銘板を設置することができる制度の導入、2つには、石垣の美化、修繕等について、インターネットを通じて多人数、多くの人から資金を募る取組、さらには、3つ目ですが、ネーミングライツ対象施設の拡大などにも積極的に取り組んでまいります。
 今後とも、明石公園が県民に愛される魅力的な公園になるよう、新たな財源確保策を探ってまいります。

○(岸口みのる) 
 本当は再質問したいところだったんですが、残り時間が1分ということなので、要望にとどめたいと思います。
 史跡指定を受けているからできないということをよく理解をしています。ただ、先ほどもご答弁ありましたとおり、守るべきものは守って、利活用できるものは利活用するというのは当たり前のことでありますし、球場、陸上競技場も今利用されているからいいというのではなくて、よりもっといい施設にすれば、もっと人が来るわけですから、そういった視点を忘れずにお取組をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

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