第349回 6月定例県議会 代表質問

 

質問日 : 令和2年6月12日(金)

質問方式 :分割

 

○(岸口みのる)

 維新の会兵庫県議会議員団の岸口でございます。
 まずはこのたびのコロナ禍により、様々な影響を受けられた県民の皆様へのお見舞いを申し上げますとともに、それぞれの現場で精いっぱいご努力をいただいている皆様に感謝を申し上げます。
 まだまだコロナ感染症対策は続きますけれども、一日も早い不安のない新しい日常、ひょうごスタイルの実現を目指して、以下6項目9問の質問を分割方式にて行います。

感染症対策における3府県連携の評価と今後の対応について

 質問の第1は、感染症対策における3府県連携の評価と今後の対応についてであります。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律、いわゆるコロナ特措法では、知事が対策本部長となる県対策本部が設置され、公私の団体または個人に対して、対策の実施に関し必要な協力を要請することができるなど、具体的な行動を取る権限が知事に委ねられた、地方の裁量が大きい仕組みとなっています。
 北海道では国の緊急事態宣言前に独自に宣言を出し、外出自粛を要請したことなど、地方の裁量による都道府県単位での取組が非常に効果的に感じられました。
 しかしながら、特定警戒都道府県への指定から要請解除などの出口戦略においては、都道府県単位ではなく広域での連携・調整が重要と考えます。首都圏の1都4県では、不要不急の外出・往来自粛の要請、休業要請とその支援策、そして緊急事態宣言解除に至るまでの間、広域で協調した取組が進められたことにより、都民、県民らの理解が得られやすかったと感じました。
 今後、第2波など感染拡大が起きた場合の再自粛要請なども、広域での取組が効果的と考えます。
 関西には広域事務の受皿として、既に関西広域連合が設立されています。広域連合では平成26年に、関西防災・減災プラン感染症対策編(新型インフルエンザ等)を策定しましたが、今回の新型コロナウイルス感染症対策に重なるところが多くあります。今回の感染対策においては、知事に権限が委ねられているというものの、関西広域連合が積極的に府県間の連携・調整を担えたのではないかと残念でなりません。
 また、特定警戒都道府県となった兵庫、大阪、京都の3府県の連携・調整が十分であればもっと違った取組や情報発信ができたかもしれません。
 今後の感染拡大、そして新たな感染症の発生に備え、広域的な連携・調整について、特に3府県における今回の課題を踏まえた今後の取組について、知事のご所見をお尋ねいたします。

コロナ専門病院等感染症対策施設の整備について

 質問の第2です。コロナ専門病院等感染症対策施設の整備についてお尋ねをいたします。
 県では、県立加古川医療センターを県内全域の拠点病院に、また神戸市立医療センター中央市民病院及び県立尼崎総合医療センターを重症等特定病院に位置付け、入院病床515床、宿泊療養578床を確保し、感染患者への医療提供を行ってきました。
 これまで医療崩壊を招くことなく地域医療が維持できたことに安堵する一方で、医療機関の課題が見えてまいりました。
 先日公表された一般社団法人日本病院会など3団体による、新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(最終報告)によると、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の八つの特定警戒都道府県の病院では、外来患者延べ数、初診患者数、病床利用率、手術件数など軒並み、4月の対前年度比で約20%から25%の大幅減になったことや、感染患者の入院を受け入れた病院では、診療報酬上の様々な配慮はあったものの、経営状況の悪化は深刻であったことが報告されています。
 また、厚生労働省に対し、数多くの病院に感染患者が分散すれば、限りある医療資源が効果的、効率的に活用できないことや、院内感染対策が必要となり、病院の負担、入院患者のリスク増大につながりかねないことから、コロナ入院専門病院を設置するよう要望しています。
 加えて、東京医師会からもコロナ専門病院の設置についての提言や、大阪市や神奈川県での設置、そして、先日、神戸市立医療センター中央市民病院にコロナ専門病棟を整備することが発表されました。
 本県でもコロナ専門病院を検討してはいかがかと考えます。例えば、現在拠点病院となっている県立加古川医療センターの周辺は、健康拠点構想として整備が進められていますが、まだ約10ヘクタールの土地が残っていますし、県立健康科学研究所も隣接するなど、資源を効果的、効率的に活用することができます。
 今回の6月補正では、地域外来検査センターの設置が追加されましたが、同時に限りある医療資源を効率的に活用するためにも、コロナ専門病院等感染症対策施設を整備してはと考えますが、知事のご所見をお尋ねいたします。

社会福祉施設での感染症対策の支援について

 質問の第3は、社会福祉施設での感染症対策の支援についてであります。
 県内の認定こども園、保育所では、保護者の在宅勤務や対象児童を限定して受け入れた特別保育が実施され、登園園児数が減少したことなどによりクラスターの発生は1ヵ所にとどまりました。
 また県内の障害者施設では、クラスターの発生はありませんでしたが、高齢者施設では、保育所などとは異なり、受入を限定することができませんし、介護サービスによる濃厚接触が避けられないことなどから、2ヵ所のクラスターが発生をいたしました。要介護者は高齢かつ持病のある方が多く、一度感染すると重篤化しやすく、命の危機に直面する現場となりました。
 厚生労働省は、これらの施設に対し感染防止策、感染者発生時の取組などをまとめた社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点についてを示し、注意喚起を行っています。
 このような中、明石市内の社会福祉施設の方々に現場の実情を伺いました。これらの施設では、国、県、市の指導、助言、支援の強化はありがたいとする一方で、マスク、消毒液などの衛生材料の調達が困難とのことでありました。
 保育所や障害者施設では、通知に従い、自分たちで感染防止対策マニュアルを作成したものの内容に不安を感じたこと、他の施設での対策状況を知りたかったが、情報の共有ができなかったこと、また、高齢者施設では、医療機関に比べ看護師など医療職が少なく、感染対策の基礎知識も劣り、通知を熟読しても、実際の自分たちの現場では対策が正しいのかとの不安の中で業務をこなしているとのことでありました。
 衛生材料の配布については、施設利用者の発熱時に対応できるよう、一定数の医療用マスク、防護服の配布や、県での一括購入やあっせんはできないかなどの要望もありました。
 加えて障害者施設では、マスクの着用を嫌がる、感染症への理解が正しく伝わらない、顧問の医師はいるが、精神科の専門医であり、感染症対策のアドバイスが得られにくく、運営者、障害者本人、家族とも感染対策の基礎知識不足による不安が目立ったとのことでありました。
 そこで、これらの社会福祉施設が求める感染症対策の専門知識の向上や、それぞれの現場に応じた技術的な指導など、医学的なサポートやアドバイスが受けられる仕組みをどのように作り、各施設間での情報の共有をどのように構築していくのか、知事のご所見をお尋ねいたします。
 後は質問席から行います。

○知事(井戸敏三) 

 維新の会議員団を代表しての岸口みのる議員のご質問にお答えします。
 まず、感染症対策における3府県連携の評価と今後の対応についてです。
 感染症の拡大を防止するためには、人と人の接触を抑制することが必要でありますので、一つの交流圏である関西圏においては、一体的に社会活動制限に取り組むことが効果的であることは言うまでもありません。
 このため特定警戒都道府県であった京都、大阪、兵庫の3府県が緊密に連携し、外出や往来の自粛、休業要請とその解除などの内容やタイミングについて整合を図ってまいりました。このことにより、府県間の移動や接触機会の抑制が実現できたと考えています。
 これらの調整においては、発足から10年を迎える関西広域連合の委員会や議会の場において、構成府県市の長が日頃から意見交換や情報共有を重ね、広域課題に取り組んできた実績が基礎にあると考えています。
 また、関西広域連合は、特別措置法上の権限はないものの、既に新型インフルエンザの流行を経験したこともあり、関西防災・減災プラン感染症対策編を定め、これに基づき国の緊急事態宣言前から、これまで5回にわたり対策本部会議を開催し、医療物資の相互融通や検査の広域連携、府県間の往来自粛などを求める関西外出しない宣言、関西・ゴールデンウイークも外出しない宣言を発出する。関西国際空港という水際を抱える圏域として、帰国者の健康管理のシステムの確立の呼びかけ、そして国への各種提案などに取り組んでまいりました。
 こうした取組の結果、府県民や事業者の協力もあり、首都圏に先立って緊急事態宣言が解除されましたし、宣言全面解除、25日ですが、の2週間余りの新規感染者数は、首都圏が300人を超えているのに対しまして、兵庫はゼロ、関西圏でも15人、大阪10人、京都2、奈良1という数字にとどまるなど、大きな成果が得られていると考えています。
 今後とも3府県はもとより、関西広域連合構成団体が引き続き連携・協調に努め、次なる感染拡大の波に備えてまいりますし、併せて社会経済活動との両立も目指して取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 社会福祉施設での感染症対策の支援についてです。
 社会福祉施設等が提供するサービスは、言うまでもなく、利用者や家族の生活に欠かすことができないものであり、適切な感染防止対策を徹底の上で、継続的に提供されることが必要です。
 このため、県としては、施設等に対して一括購入や寄贈を受けたマスク、消毒液等の衛生資材の供給を行ってまいりました。マスク24万枚、寄贈22万枚、消毒液、購入4万リットル、寄贈1万リットルです。
 今後は、感染の再流行に備え、高齢者施設等に対して、おおむね2ヵ月分のマスク、消毒液等の確保をしていただいた上で、更におおむね2ヵ月分を県で保管することにしております。引き続き衛生資材の確保のために必要な支援を行ってまいります。
 また、感染防止のためには、正しい知識の啓発とともに、得られた知識を実践に生かすための取組が欠かせません。関係機関と連携した施設向けの研修の実施による意見交換や情報の共有を行います。保健師や看護師等の感染症専門家等による相談窓口を設置して、活用を図ってまいります。三つに、施設等が医師等の外部専門家を招き、感染防止対策の具体的な助言を受けるための研修費用を助成しますとともに、更に感染症対策の整備を各施設が図りますために、各施設に50万円を支給して、感染症対策のための面会用タブレットなどの物品購入や発症者の隔離に使用する多機能型簡易居室設置等の感染防止対策への助成も行ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、正しい知識の獲得から実践的なアドバイスまで幅広く支援を行うことで、社会福祉施設等の対応力の強化を図ってまいりますので、どうぞよろしくご指導をお願いいたします。

○副知事(金澤和夫) 

 コロナ専門病院等の感染症対策施設の整備についてお答え申し上げます。
 感染状況が落ち着いている今こそ、次なる波への備えが重要だというのは、ご指摘のとおりかと思います。
 兵庫県では、4月上旬に感染者が急増して、病床数が一時的に逼迫する事態となりましたけれども、このときには全県の拠点病院として位置付けた加古川医療センターなどにおきまして、ICUや一般病棟、まとまった規模で、コロナ対応に転用するといった形で病床数の拡大に努めました。併せて、軽症者の宿泊療養施設を確保したこともあって、対応することができた状況にあります。
 また、こうした新型コロナウイルス感染症患者の受入が病院経営に及ぼす影響も指摘されております。国では診療報酬の引上げが行われましたが、兵庫県におきましても、一つには、入院治療を行う医療機関に対する運営費の補助、入院1人1日当たり1万2,000円という単価を設定いたしました。それから空床補償単価の拡充、それから三つ目に、重点医療機関に対する診療機器の導入の支援、こういったことを独自に措置を講じることによって、今後もフェーズに応じて必要な病床確保ができるような体制を整えたつもりでございます。
 ご提案のコロナ専門病院の設置ですけれども、限りある医療資源や人材を集約することによって効率的な活用が可能になる。また、院内防止対策にもつながるというメリットはあると存じます。しかしながら、感染症後期、今のような状況ですけれども、患者数が著しく減った状況のもとで、当該病院の機能をどうするのか、経営をどうするのか、あるいは医療スタッフはどうするのか、こういった問題がございます。
 特に兵庫県のように広大な面積を有する地域では、広域搬送をどうするのかといった課題も別途ございます。感染症だけでなく、基礎疾患、別の基礎疾患を持つ方、あるいは合併症の患者さん、こういった方への対応などの課題もあろうかと思っております。
 兵庫県といたしましては、感染症指定医療機関などを中心として、一般医療の提供を片方で行いながら、患者の増加状況に応じて、コロナ対応の臨時病棟を設置する。これは現在、神戸市民中央病院が行おうとしているものですけれども、あくまでも臨時の建物、病棟を造るという、そういうものでございます。
 あるいは加古川や尼崎の県立がこれまでもやってきましたように、一般病棟を一時的にまとまった規模で転用するという、そういうことなど、フェーズに応じて機動的な医療提供体制の構築を図るという方針のもとで臨んでまいりたいと考えております。

○(岸口みのる)

 1点だけ、再質問をさせていただきます。
 3府県連携についてです。先ほどの知事の答弁を伺っていますと、比較的うまくいっているというふうなご答弁だったと思います。結果からしましても、確かに大きな問題もなく、スムーズにいったということはあるんですけども、やっぱり大阪との比較をどうしてもしてしまうんですね。
 大阪のほうがマスコミの対応が、確かに一枚上手だったのかもしれません。ただ、そういう意味では、マスコミを通じて、知事が3府県手を組んで、協調してやっているという姿勢、対策自体は都道府県で完結はしていきますけど、やっぱり連携した取組というのはどうしても必要になってきますから、そういうところは三者で取り組んでいるというところをもう少しアピールをしていただきたいというふうに思いますが、その点についてご答弁をお願いします。

○知事(井戸敏三) 

 三者で一体的に取り組んでいても、誰かが飛び抜けて発表したがる人もいらっしゃいますから、なかなか三者一体でいつも記者発表するわけにもいかない、こういう事情がありますし、私から言わせると、マスコミの報道姿勢も少し1点集中になり過ぎていたんじゃないか。そういう本来、関西全体で取り組むべき課題に対して、関西全体としての報道視点が欠けていたんではないか、そんな思いが、当人からすると、すごくないわけではありません。
 そのような意味で、これからも、だからこそ連携が必要だというご指摘だと思いますので、しっかりと連携をさせていただくように努力をしていきたいと思っております。

○(岸口みのる)

 知事の本音が伺えましたので、これ以上は質問しませんけれども、知事も少し大人な対応をしていただいて、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

コロナ禍収束後の中小零細企業への支援について

 次に、質問の第4であります。コロナ禍収束後の中小零細企業への支援についてお尋ねをいたします。
 日銀神戸支店が今月5日に発表した県内の金融経済概況は、コロナ禍により悪化とし、下方修正が続いていた基調判断を4ヵ月ぶりに据え置きました。併せて、アジア太平洋研究所の試算では失業率は4.1%に上昇し、関西での失業者は、飲食業、宿泊業、小売業などを中心に15万7,966人増加するとされました。
 また、民間調査会社では、影響の大きかった幅広い業種の中小零細企業がじわじわとしわ寄せを受けて、倒産件数が年間1万件を超え、休業・廃業が5万件を超え拡大するとの見方を示しています。自粛解除により今年度7-9月期のGDPは持ち直しに向かうとの報道もあり、V字回復を期待したいところではありますが、なかなか先行き不透明感は拭えません。
 そこで、コロナ禍収束後に向け、三つの視点からの質問をさせていただきます。

事業承継促進による就業機会の確保について

 まず第1に、事業承継促進による就業機会の確保についてであります。
 このたびのコロナショックは、リーマンショックを超えるとされ、さきの様々な支援を活用しても経営に行き詰まることもあるのが現実であります。また、近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多いと見られていますが、今回のコロナ禍が引き金となる事例も多いと聞きます。さきの5万件の休業・廃業は約20万人の従業員に影響を与えるとされており、これらによる離職者、失業者をいかにスムーズに次の就業に結びつけるかが重要な課題となります。
 新規の起業は有力な就業の受皿の選択肢とはなりますが、経営を安定させるには時間と多くの困難を伴う一方、事業承継は、既に事業の実績があること、設備投資等の必要が少ないことなど起業に比べ多くの優位性があると思われます。
 コロナ前の2019年11月に帝国データバンクが行った全国後継者不在企業動向調査によると、全国全業種約18万社で後継者不在とされ、兵庫県では62.9%の企業が後継者不在と答えています。
 また、事業承継は同族承継が年々減少傾向で、今後は企業価値を認めた第三者に経営を委ねるM&A方式の事業承継が、後継者問題を解決に導く有用な選択肢の一つとされています。
 そこで、コロナ禍により就業機会の確保の緊急性が高まる中、企業のニーズを捉えた新たな支援策が必要で、休業・廃業を防ぎ、スムーズな事業承継への移行ができるよう、取組を加速させなければならないと考えますが、知事のご所見をお尋ねいたします。

県民へのインセンティブ強化による地域経済支援について

 この項のその2であります。県民へのインセンティブ強化による地域経済支援についてお尋ねをいたします。
 4月下旬、明石商工会議所が会員企業に対し、新型コロナウイルス感染症による事業活動への影響に関する調査を行いました。結果概要によると、70%を超える事業所が影響ありと回答し、今後の懸念を含めると90%を超える事業所が影響を受けるとされました。中でも飲食業は95%を超える事業所が大きな影響を受け、売上げが50%以上減少と答えた事業所が7割以上を占めるなど、大変深刻な結果であります。地域経済を支えるための身近なところでの実効性ある支援が必要と考えます。
 今回の6月補正でも、飲食店、宿泊施設などへの支援の拡充を予定していますが、これらの事業はいずれも事業者への支援が中心であり、より効果を高めるには、県民、消費者の視点での支援も必要と考えます。例えば、期限付の食事券の給付など、もっと県民、消費者のインセンティブが働きやすい制度の構築が必要であります。県下市町で消費者へのこれらの支援策の検討が進められていますが、県として市町を後押しするのも一案であります。
 そこで、6月、7月は身近な地域の飲食店支援、8月には夏休みに向けた県内観光やイベント支援、秋の観光シーズンには、県外、全国からの誘客など、時期に応じめり張りをつけることも有効と考えますが、県民、消費者へのインセンティブ強化による実効性のある支援策について、知事のご所見をお尋ねいたします。

感染症対策を含むBCP作成支援について

 この項の三つ目であります。感染症対策を含むBCP作成支援についてであります。
 経済産業省では、今後、新型コロナウイルス感染症対策に特化したBCP策定ガイドラインを作成し、事業継続力強化計画等の策定を支援することとしています。
 県内の中堅企業で販売業を営むグループ全体で社員約900名規模の会社のBCPについてお話を伺いました。この会社では、緊急事態宣言後、在宅勤務になじまない業務もあることから、在宅勤務は行わず、社員を二つのグループに分け、交代での出勤により業務を継続されたとのことであります。日ごとに半数の社員が出勤し、残る半数の社員は休日となりますが、有休扱いはせず、コロナによる特別休暇としたそうであります。
 もし社員に感染者が発生した場合、その社員が属するグループは自宅待機し、もう一方のグループで業務を続けるとのことであります。
 この会社のBCPは、人との接触機会、最低7割、極力8割、出勤者を最低7割削減するという国の方針に反することになりますが、会社にとっては事業継続を踏まえた最善の策と感じます。
 そこで、自然災害時と違い、感染症蔓延時においては、感染防止と事業継続、雇用の確保のバランスを図ることは大変難しく思われますが、県下の中小企業のBCP作成に対し、県としてどのように支援をしていくのか、知事のご所見をお尋ねいたします。

今後のテレワーク導入促進について

 質問の第5です。今後のテレワーク導入促進についてお尋ねをいたします。
 総務省の地域企業に学ぶテレワーク実践事例集には、テレワークの導入は、人材の確保、通勤移動時間の短縮、子育てや介護など家族との時間の増加、残業減、業務効率の向上、障害者雇用など多くの成果が上がっています。また、5月19日号のニューズウィーク日本版のリモートワーク革命がやってきたと題するレポートには、リモートワークは人材集めの切り札になること、コロナ禍前でもオフィスワーカーの約半数が在宅勤務を認めてほしいと考え、給料が5%下がってもリモートワークがよいという人が3分の1もいた一方で、リモートワークを常に義務付けられるのは嫌であること、仲間意識や帰属意識が失われかねないとのデメリットも紹介をされています。
 厚生労働省とLINE株式会社が4月中旬に行った新型コロナ対策のための全国調査によると、事務、企画、開発などのオフィスワーク中心の方のテレワーク実施率は、全国で27%、兵庫県では22.69%との結果でありました。3月末の調査結果からすると、3倍には伸びていますが、まだまだ低調であります。
 地元の経営者の方々に実情をお伺いをすると、会社や社員の自宅に通信環境があったことから試験的に始めたものの、電気代や通信費の負担、災害やけがをした場合などの対応、就業規則や規程、マニュアルなどの整備が追いついておらず、また情報管理などへの対応や、従業員の自宅に適当なスペースがないことなどが課題とされました。中にはテレワークにより作業効率が下がったことや、経営者、社員ともテレワークに慣れておらず、必要性が余り浸透していないとの意見もあり、まだまだ意識改革も必要と考えます。
 テレワークの導入は、本来は働き方改革の一環であり、このたびは感染症対策での三密を避ける取組としての効果が期待されましたが、緊急事態宣言解除に伴い、全員出社に戻った会社もあると聞きます。
 そこで、テレワーク導入は地域創生にとっても重要な要素であり、今後の感染拡大に備えるためにも必要であります。県下の中小零細企業へのテレワーク導入促進へ向けてどのように取り組むのか、知事のご所見をお尋ねいたします。

○知事(井戸敏三) 

 コロナ収束後の中小企業への支援についてのお尋ねです。
 まず、事業承継促進による就業機会の確保についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの県内中小企業が売上げ減少や資金繰り逼迫等に直面し、先行きもなかなか見通し難い状況にあります。県内企業の円滑な事業承継が滞り、休廃業の増加が懸念されているものです。
 県では、従来より、事業承継を喫緊の課題として、産業活性化センターを核に、商工団体や金融機関等が参画する事業承継ネットワークを立ち上げ、計画的な承継へとつなぐ診断を2ヵ年間で1万4,500社に行っております。併せて、課題に応じた専門家派遣、承継計画の策定支援、神戸商工会議所に設置の事業引継支援センターでのM&Aのマッチングを進めてきました。
 昨年度から承継に伴う改修や広告費等の補助により、承継を後押ししてきております。昨年実績は、48件、9,100万ほどであります。今年度、承継時に新旧経営者の個人保証を求めない新たな信用保証と事業承継支援貸付を整えました。
 これらの取組では、親族以外の社内外の第三者による承継も積極的にサポートしています。その中で、新規事業に取り組むベンチャー型承継など、産業雇用に波及効果が大きい承継も、徐々にではありますが、増えてきています。
 国も第1次補正予算に事業承継支援を盛り込んでいます。第三者承継時の専門家の活用や経営資源の一部を引き継ぐ際の譲渡側の廃業費用を助成する、地域の核企業の第三者承継等を支援する官民連携ファンドの創設などを準備されています。
 新型コロナウイルスの影響で休廃業が増えれば、多くの貴重な経営資源や就業の場が失われることになります。ひいては本県経済への影響も大きいものがあると考えられます。事業承継について、国、県の施策を総合的に取りまとめ、相談、診断、専門家支援、補助、融資、投資、さらには事業引継支援センターによるM&Aといったツールを柔軟に組み合わせて、承継前からの切れ目のない支援を通じて、経営者の承継に向けた意欲を喚起していかなければなりません。産業活性化センターや商工会議所、商工会などを中心に、地域の経済雇用の担い手である中小企業をできるだけ多く次世代へ引き継いでいける機能を更に強化していきたいと考えています。よろしくご支援とご指導をお願いいたします。
 続いて、県民へのインセンティブ強化による地域経済支援についてのお尋ねがありました。
 外出自粛や休業で消費が冷え込んでいます。感染症の蔓延を抑え、県民が安心して出かけ、楽しめる環境を取り戻すことが必要です。
 他方で、新型コロナウイルスには出口戦略以上に共存戦略が必要なんではないか。つまりコロナは撲滅できないけれども、上手に付き合っていく戦略、社会とすることが必要なんではないかとの指摘もされていますように、ひょうごスタイルを広げ、安心と経済が両立する社会づくりを進めていかなねばなりません。
 こうした観点から、業種ごとのガイドラインによる感染防止に向けて、事業所や商店街、宿泊施設等の公共空間での対策を行うとともに、その支援を進めてまいります。並行して、飲食、小売では、店内飲食、購買だけではなく、テイクアウトやデリバリーをその都度柔軟に選択できる、外出自粛中に生まれた新しい消費行動への対応が求められます。そこで、がんばるお店・お宿応援事業で、事業者の取組や消費喚起を支援しているものです。
 今後、需要回復に向けた更なるアクションが必要であります。6月の景気ウォッチャー調査では、緊急事態宣言の全面解除による期待感から、先行き判断指標は36.5ポイントと急速に上向いてきています。
 こうした機運を生かして、県内市町、商工団体、業界と連携して、まず商店街等で使用できるプレミアム付の買物券やポイントシール事業を実施してまいります。二つに、飲食店の前払いサービスなどを支援してまいります。さらに、ウエルカムひょうごキャンペーンとして、三つに、おみやげ購入券付特産品販売を行うこと、宿泊時のおみやげ購入券を買い取っていただくこと、四つに、コンベンション開催を支援していくこと、五つに、バス旅行造成やツーリズムバスを拡充していくこと、六つに、観光拠点の整備を支援していくこと、七つに、スポーツ・文化活動の合宿を補助することなど、一連の需要回復に取り組んでまいります。以上の23億円に上ります県事業と第1次臨時交付金分だけでも24億円となる市町の消費喚起事業とタイアップを密にしまして、オール兵庫の需要創出を目指してまいります。
 国においても、観光、飲食、イベント、エンターテイメント、商店街の4分野でGoToキャンペーンを準備中であります。これら国の施策、市町の施策、県の施策、これら共に相乗効果を発揮し、地域の人流とにぎわいの復活に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
 今後のテレワーク導入促進についてであります。
 テレワークは、自宅や移動中を含め、時間、場所を有効に活用でき、有益な人材の確保や緊急時の事業継続の観点から、企業と労働者の双方にとってメリットがあると言われ、今回、多くの関係者が実体験いたしました。多様な働き方を支援し、労働生産性を向上させるためにもテレワークの推進は重要であると考えています。
 総務省の調査によりますと、テレワーク導入企業のうち、業種を問わず、9割近くが効果を実感し、また未導入の企業と比べ、労働生産性は3割高くなったと言われています。
 本県では、平成25年度から、ひょうご仕事と生活センターにおきまして、テレワーク導入の支援をしてきております。全国6位の実施率ではありますが、実施割合が2割にとどまっている。6位というのは、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫の順番ですけども、ただ実施割合が2割にとどまっています。導入が進まない理由は、テレワークに適した仕事がないが大層を占め、情報セキュリティへの懸念がこれに次いでいます。
 このためひょうご仕事と生活センターのセミナーなどを通じまして、建設の現場や小売業での導入事例など、取引事例を様々紹介し、実施企業の裾野を広げてまいります。
 また、小規模事業者を中心に、アドバイザーを派遣して、ICT化のための仕事の切り出し、IC化に適した仕事を特出しする。就業規則など制度の見直し、社内の意識改革などに対する助言を行っております。
 さらに、新たな情報処理の資格を持っているICTアドバイザーを派遣して、情報セキュリティの専門的な立場からきめ細かく助言も行ってまいります。
 テレワークシステム構築を図る企業に対しましては、セキュリティ対策を踏まえた機器やサーバーの導入を支援してまいります。
 また、スマートひょうご基盤の整備により、高度なセキュリティ水準で職場システムにアクセスできる環境の整備も進めてまいります。県庁も率先して、このような環境整備に参加をしてまいります。
 テレワークの導入が進めば、これからの地域経済も大きく変わるのではないか期待しています。かつてなくテレワークへの注目が高まっている中、まさに兵庫らしい働き方ではないかという意味で、これを進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○防災監(早金 孝)

 感染症対策を含むBCP作成支援についてお答えいたします。
 大規模自然災害のほか新型コロナウイルス感染症など、重大な危機事案発生時に、企業の事業継続を図り、そして経済的影響を最小限に抑えるためには、企業自らがBCP事業継続計画を策定し、事前の備えの徹底を図ることが必要であります。
 民間調査会社のデータによりますと、県内企業のBCP策定率は14.2%にとどまっているところです。そこで、県では企業のBCP策定を促進するため、昨年度から、一つには、商工会議所等による県内企業向けセミナーの開催の支援、いま一つは、個別企業のBCP策定経費の補助を実施いたしまして、企業の取組を支援してまいりました。
 議員がご紹介されたとおり、感染症蔓延時にも事業継続が行えるよう、経済産業省において、新型コロナウイルス感染症に特化したBCP策定ガイドラインを作成する予定であると聞いております。
 そこで、今年度は商工会議所等と連携して実施するセミナーにおきまして、できれば、そのガイドラインをテキストとして活用したいと思います。
 また、三密回避のための時差出勤や在宅勤務など、具体的な取組事例を紹介いたしまして、事業継続力強化計画を含めまして、感染症対策に配慮したBCPの策定を促進いたします。
 なお、策定したBCPに基づきます企業の環境整備に対しましては、現在、貸付制度を用意しているところですが、今回の補正予算案におきまして、中小企業が行います、例えば、換気設備の設置等、こういった感染防止対策への支援も盛り込まさせていただいているところであります。
 今後とも感染拡大防止と経済活動の両立を目指しまして、商工会議所、商工会等と連携して、県内企業のBCPの策定を支援してまいります。
 引き続きよろしくお願いいたします。

○(岸口みのる)

 質問ではなく、コメントをさせていただきたいと思います。
 地元の中小企業支援、インセンティブですけども、先ほど知事のお話にありましたように、プレミアム商品券をはじめ、いろんな取組をされておられます。ただ、プレミアム商品券なんかは、消費の先取りといいますか、日常買う物、ただ単に先送りしているだけなので、やっぱり特別の消費が、新たな消費が生まれるというところが一番望ましいところだと思うんです。
 ですから、飲食のチケットを配ったり、ふだんは行かないけれども、行ってみようかとか、そういうことになると、ふだん、給付でお店が助かるのは助かりますけども、やっぱりお客さん来て元気が出るというのも非常に大事ですので、そういったところにもご配慮をいただきたいなというふうに思います。
 テレワークですけれども、いろいろ取組されておられることは、私も調べて分かりました。ただ、現実は、解除されてしまうと、みんな出社してたということですから、やっぱり意識がまだまだ追いついていないという感じがしますので、意識の改革に向けて、今後ともお取組をいただきたいと思います。
 それでは、質問を続けます。

県立高校の今後の対応について

 質問の第6は、県立高校の今後の対応についてお尋ねをいたします。
 その1は、県立高校の学力の保障と今後の取組についてであります。
 小学校低学年の保護者の方々から、せっかく覚えた九九や漢字を忘れてしまっていることや、中学生の保護者からは、学校再開の後、夏休みや土曜日の活用、更に塾などが続き、子供たちの時間の余裕がなくなってしまうとの不安があることをお聞きをしました。
 今回の6月補正において、小学校6年生、中学校3年生に非常勤講師を配置することが盛り込まれましたが、児童生徒の不安がしっかり解消されることを期待をしているところであります。
 県教育委員会が県立高校に向けまとめた、県立高等学校等の授業の再開準備、教育活動等に関するQ&Aによれば、通常の場合は、4月から7月までの1学期では出席を要する日数は70日間で、学校行事等を除いた授業のできる日数を48日間としています。今回の臨時休業について、学校を6月に再開した場合、授業日としてできる23日間に、5月11日以降の家庭学習を授業とみなした15日間を加えて、夏季休業日を10日間短縮した場合、48日間の授業日を確保できるとシミュレーションしています。ちょっと分かりにくかったかもしれませんが。
 授業日だけを捉えれば要件は満たされるわけですが、ここでいう家庭学習とは、ICTを活用した生徒、保護者への連絡や課題プリントの配布、学習支援アプリの動画教材等を活用することとされていますが、習熟度、学力の定着を考えると疑問が残ります。
 高校の授業は単位認定であるため、小中学校のように年間で必要な授業時間数が具体的に決まっているわけではなく、今回の休業により、授業時間が幾ら減ったかとの評価がしにくいと聞いていますが、やはり学力の確保には更なる授業時間確保、補習の実施などが必要と考えます。
 文部科学省では、休業により失われた授業時間の確保策について、夏休みの短縮、修学旅行など学校行事の縮小、土曜授業の実施・拡充など、対応は可能とのことですが、一方で、受験を控えた3年生をはじめ多くの生徒は塾へ通い、夏休みや冬休みになると塾主催の特別講習などへ参加することから、授業時間の確保は簡単でありません。
 そこで、県立高校の生徒たちの学力や部活動などへの不安を取り除くことが最も重要と考えますが、臨時休業による生徒への学力への影響、家庭学習の評価をどのように捉え、生徒らの実情を踏まえた今後の学力の確保について、どう取組を進められるのか、ご所見をお尋ねいたします。
 質問の最後であります。県立高校のウエブ授業の推進についてお尋ねをいたします。
 県立、私立のそれぞれの高校に通う生徒を持つ保護者の方から、臨時休業中の家庭学習等の進め方について大きな違いがあったことをお聞きをしました。私立高校ではいち早くタブレットを貸出し、ウエブ授業をスタートさせ、生活面でも学習面でも教員と生徒との連絡を密に取り合っていたそうです。全く同じことを県立高校に求めるわけにはいきませんが、新入生や受験を控える3年生にとっては、学校生活、学習面においての不安も大きかったと感じます。
 県立学校では休業中の家庭学習を進めるため、自宅にインターネット環境のない児童生徒に対し、接続可能なタブレット端末490台を貸出し、家庭学習支援を行ったとのことですが、さきのとおり、授業というより、連絡ツールとしての意味合いが大きかったのではないかと感じております。
 もちろんウエブ授業は、ネット環境さえ整えばよいわけではありませんし、学校の対応の違いにより、学習状況に差が生まれないようにしなければなりません。
 コロナ禍を踏まえ、教育出版の旺文社が、高等学校の現状と教員の取組や課題などについて緊急アンケートを行っています。オンライン学習について7割以上が休校後に実施や、今後実施予定と回答し、複数クラスに同一の授業が提供できることや、不登校生徒への対応ができることなどのメリットがあるとされた一方、ネット環境や教員のICT対応スキルに課題があるとの意見が多数ありました。テレビ会議すらやったことがない教員も多く、生徒の反応が見えにくい、ちゃんと伝わっているのか不安など、設備よりもソフト面の課題が大きいとされています。
 そこで、今後の感染拡大にも備え、ウエブ授業への準備を進めていかなければなりませんし、そのためには、学校間の取組の格差をなくし、教員のスキル向上が必要と考えます。これらの課題を踏まえ、どのようにウエブ授業の推進を図るのか、ご所見をお尋ねいたします。

○教育長(西上三鶴)

 まず、県立高校の学力の保障と今後の取組についてお答えをいたします。
 緊急事態宣言が解除され、3ヵ月にわたる臨時休業が終わりました。学習、教育活動が再開されましたことで、多くの高校生は本当に安堵しています。来週からは通常の授業も始まります。これからは学年に応じたきめ細やかな指導が必要でございます。
 1年生は、まず高校生活に慣れること。2年生は、学校行事や部活動、教育活動の中心的な存在として活動させること、そして、何よりも3年生は、ご承知のとおり、大学入試改革が直前になって変更になりましたので、それへの対応を含めまして、学校生活の残りの期間に、進路に向けてしっかり学力等をつけさせることが重要と考えております。
 既に臨時休業中から様々な教材を郵送することに加えまして、ホームページを活用しました授業動画の配信や小テストの提供、さらには全ての生徒を対象に、学習支援アプリを先駆けて導入するなど、ICTも活用しながら、学習支援を行ってまいりました。
 これからは、まずは夏季休業を含めました8月末までが重要でございます。今まで以上に、心のケアや体調管理にも十分注意をしながら、日々の授業を効果的に行う工夫はもとより、土日にも学ぶことができるよう、学習支援アプリを引き続き活用してまいりたいと思います。
 また、今回の補正予算で学校1校当たり300万の予算を計上させていただいておりますが、この中で学校独自に、学校がそれぞれに応じた学習支援を行うことができるようになっておりますので、それを活用するよう促しております。
 また、部活動も重要でございます。この夏のインターハイや高校野球などが中止される中で、3年生にとりまして区切りとなる機会を持てるよう、高体連等に要請を行っているところでございます。
 6月の1日には、県立学校長に対しまして、生徒がこの1年間を振り返ったときに、喪失感だけでなく、よき思い出となる学校生活だったと感じることができるよう、大胆なチャレンジも含めて、教職員が一丸となって取り組むよう伝えたところでございます。教育委員会全体で学習支援等、取り組んでまいります。
 続いて、県立高校のウエブ授業の推進についてであります。
 これまでICTの活用につきましては、授業の質を向上させ、生徒の理解を深める多様な学びを実現するため、学校内での活用を念頭に、遠隔授業の調査研究とともに、通信環境やタブレット端末、大型提示装置等の整備に取り組んでまいりました。
 しかし、今回の長期間登校できないという非常の事態に対応するため、学校と家庭を結ぶICT環境の必要性を痛感しました。このため緊急事態宣言後、発令後すぐに家庭にインターネット環境のない児童生徒の調査を行いまして、ゴールデンウイーク前にはタブレット端末の貸与を始めるとともに、全ての生徒を対象として、学習支援アプリも導入いたしました。このことは全国的にも先駆的な取組でございます。
 そして、意外とICTを活用したアプリというのは使ってないので、良さが分からなかったという面もございました。
 学校と家庭を結ぶ双方向の学習環境につきましては、この7月中には安定した通信を確保するためのインターネット回線を増設しまして、操作性の高いWeb会議アプリを導入することとしております。
 また、環境整備とともに、教員のICT活用指導能力を向上させることが重要でございます。従来からの研修に加えまして、今後想定されます第2波等の非常時においても適切な対応が可能となりますよう、今回整備をいたしましたICT環境を各教員が日常的に活用し、学習支援アプリを使った小テストの実施ですとか、授業動画の作成等を促してまいります。
 今後ともICT環境の整備、そして教員のICT活用能力の向上を図ってまいります。引き続きご支援よろしくお願いいたします。

○(岸口みのる)

 時間がありませんので、質問は控えたいと思います。
 昨日でしたか、大学入学共通テストが予定どおり行われるという記事がありましたけれども、そうなりますと、ウエブ授業をいち早く、うまく取り入れた学校と取り入れてなかった学校、それから休業に対する対応によって、子供らの学力差はどうしても出てきてしまう。大学共通テストになりますと、本当に一生を決めるというのは極端な言い方ですけれども、やっぱり大きな影響を受けるといいますか、進路に。そういう面では、しっかりと子供たちの不安のないような取組にしていただきたいというのが一つです。
 それから、ウエブ授業についてですけれども、よくよく本当に聞いてみると、やっぱり教員の方々に、まだそういう概念が余り浸透してなかったということもありますので、教員の方々のスキルアップ方々、お願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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