皆さん、おはようございます。ひょうご・県民連合の岸口でございます。第279回兵庫県議会に当たり、ひょうご・県民連合を代表して質問をさせていただきます。初登庁より1年たちました。本会議での質問は初めてでありますが、精いっぱい務めさせていただきたいと思います。
 これより、美しい兵庫実現のため、8項目10点の質問をさせていただきます。

地方分権の推進と自治体間格差への対応について

 まず、第1に、地方分権の推進と自治体間格差への対応についてであります。
 地方分権一括法の施行により、地方分権の現実の歩みが開始しました。しかし、国において取り組まれている三位一体の改革は、税源移譲のおくれが際立ちます。三位一体の改革が地方分権の確立、特に財政面における真の分権を実現させるものとなるよう、国に対し引き続き強く働きかけることを要望するものであります。
 また、各地域で進む市町合併について、県では、発足から5年を迎えた篠山市を対象にした合併の効果、影響についての調査結果が発表されました。そこでは、自治体の行政の効率化、職務能力の向上、市民の市政への関心の高まりなど評価すべき点とともに、「行政と接する場が少なくなり、距離感が広がった」「声が届きにくくなった」「住民の負担がふえたことに対する説明が欲しい」などの声が挙げられております。ここで特に申し上げたいのは、合併前後の社会基盤整備に伴う起債の増加により、財政の硬直化が懸念されることであります。将来の自治体運営を左右しかねない大変注意を要する課題であります。県としては、これらを含め、合併前から予測できた成果や課題と、実際に生じた成果や課題の相違など篠山市の実例を通じて得られた教訓をもとに、今後の市町合併に取り組んでいく必要があります。この結果やこのたび成立した市町合併関連3法を踏まえ、地方分権を推進するという視点から市町合併に取り組まれることを望むものであります。
 地方分権により、これまで全国画一的であった行政サービスに、地方の実情に合わせた独自性を打ち出せることとなります。これに伴い、県内の市町が住民に提供する行政サービスの内容や水準、また、行政サービスに対する住民の参画や協働の方法や内容は、市町それぞれで異なってくることとなります。市町合併の進行や知事の権限、事務の市町への移譲は、この違いに大きく拍車をかけるものとなるものと思われます。また一方で、県民として享受できる必要最小限度の行政サービスを確保することは重要であります。今後、地方分権の進展に伴い、同じ分野でも生じ得る市町間での行政サービスのばらつき、市町間で異なる県民と市町との役割分担など、県民と基礎自治体である市町との関係が多様化する一方で、地方交付税改革の行方や市町合併のあり方いかんによっては、財政基盤が危うくなる市町の出現も懸念されるところであります。自治体間財政力格差の拡大という近い将来に直面し得る課題について、県としてどのように考え、対応しようとしているのかご所見をお伺いいたします。

参画と協働による新しい公「おおやけ」の推進について

 第2に、参画と協働による新しい公「おおやけ」の推進について2点お尋ねをさせていただきます。
 まず、一つ目に、新しい公についての県民意識の向上についてであります。
 成熟社会において、県民一人一人が参画と協働により担っていく分野、新しい公については、今に始まったものでなく、古くから地域社会に根差していたものであります。かつての子供社会には、面倒見のよい餓鬼大将がいて、特有のルールがあり、時には子供たちを本気でしかる近所のおじさんが普通に存在をしました。この餓鬼大将や近所のおじさんらも、彼らなりに公の役割を担ってきたものと理解いたしております。困った人がいれば、ごく自然にその人に手を差し伸べていた、これがよき日本の文化・習慣の一つであったのではないでしょうか。時の経過とともに核家族化が進むなどライフスタイルや価値観が変化し、同時に、地域コミュニティが希薄になり、こうした地域社会の公の機能が低下してまいりました。その結果、地域社会の担っていた公の分野において、行政に依存するところが大きくなったのではないかと思うものであります。しかし、多様化する社会の中で、県民ニーズにこたえる行政サービスの展開にも限界が見えてまいりました。画一的な行政サービスは、時代に合わなくなってきたわけであります。そして、地域のことはその地域で、自分たちのことは自分たちで、課題を認識し、解決していく社会をつくり上げることが求められるようになったのであります。
 県では、参画と協働の取り組みの中で、私たちやこれからの世代が生きる成熟社会においては、県民一人一人を初め、多様な主体がみずから積極的に新しい公を担っていくことが重要であり、だれもが地域社会の一員としての自覚と責任を持ち、主体的に地域づくり活動に取り組むこととされておられます。自覚と責任のもとで、自発的に、そして、ごく自然に社会に参加していくためには、人々の意識の改革、向上が不可欠であり、この機運の醸成にどのように取り組み、展開していくかが課題となります。かつての日本の社会が有していた公の文化、習慣をこれからの成熟社会にふさわしい形で取り込んだ新しい公について、県民の意識をいかに改革、醸成し、普及していくのかご所見をお尋ねいたします。
 二つ目といたしまして、地域資源を生かした官民の取り組みについてお尋ねをいたします。
 本県は、瀬戸内海国立公園、山陰海岸国立公園など多くの自然資源に恵まれた広大な県土の中に、道路や鉄道、港湾や空港などの陸海空の交通網が縦横に駆けめぐり、数多くの民間企業や56の大学・短期大学を初めとする高等教育機関が存在するとともに、在日外国公館などもあり、世界各国からの外国人県民が生活するという特徴を有しております。
 これらを本県特有の地域資源と考えるとき、この資源を県民共同の利益に結びつけなければならないと考えるものであります。既に、民間企業や大学の知的資産については経済面から産官学が連携した取り組みがなされており、企業の社会奉仕活動による地域住民へのサービスや各種大学講座の開講を通じて自主的な地域社会への還元が行われているところであります。また、身近な例として、神戸市内のある企業や独立行政法人化した京都大学では、社員食堂またはレストランを地域住民に開放し、好評を博していると聞いております。これによって、この社員食堂やレストランは、地域住民へのサービス施設としての一面を有することになったわけであります。この社員食堂やレストランという地域資源が、住民の利便性向上という面でより有効に活用されることになったと見ることができるわけであります。
 この見地からすると、自主的な取り組みを促すことによって、さらに有効に活用できる資源、または情報不足等によって本来の価値を十分生かし切れずに埋もれている資源が至るところに存在すると思うものであります。例えば県内に数多くある大学には、充実したスポーツ施設を初め、専門知識と技術を有した監督やコーチなどの人材や知識、ノウハウが豊富に存在いたしております。この大学と県の行うスポーツクラブ21がマッチングすることにより、大きな成果が期待できるのではないでしょうか。このように見方を変えれば、県の制度や事業は一層充実するのではないでしょうか。
 県においては、自主的な参画と協働のもとで地域資源と施策をマッチングするという視点、言いかえれば、地域資源を有効に活用し、より効果的な施策展開を図るという視点に立つことが重要であります。地域資源をより生かした参画と協働を実践する一主体として、県の役割についてご所見をお尋ねいたします。

在宅重視の高齢者福祉対策について

 第3に、在宅重視の高齢者福祉対策についてお尋ねをいたします。
 介護保険制度が創設され5年目を迎えております。介護保険の理念は在宅重視でありますが、特別養護老人ホームなどの施設入所を希望する待機者は相変わらず多く、在宅サービスの脆弱さを物語っているのではないかと考えます。介護保険の理念の実現のためには、在宅介護の環境整備のより一層の充実と、目的に応じ利用者がサービスを選びやすい情報の公開が急がれるわけであります。特に在宅介護の大きな柱であり、また、要介護者からのニーズも高い家族介護を支えるためには、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイなど在宅サービスのさらなる充実を進めなければなりません。また、要介護者の自立につながる適切な介護サービスが提供されるようケアマネジャーの資質の向上などケアマネジメントを強化し、介護サービスの質的向上を図るべきであります。一方、在宅介護は、家族の実態や要介護者の心情面を考慮すると、介護のすべてをサービスに頼るには限界があり、高齢者の在宅生活の継続、向上を図るためにも、介護している家族の身体的、精神的、経済的負担の軽減を図ることのできる仕組みも整備する必要があると考えます。
 また、今年度より第三者評価事業が導入されると聞いております。この事業は、みずからサービスを提供しない第三者法人が事業者を評価することとし、4日程度の研修を終了した評価調査者が3名以上所属していることを条件としております。そして、その評価は、127の判断細目を基準として、12項目を5段階で判定し、その結果を公表するとしておられますが、この評価の公正・中立性、客観性をどのように確保するのか、また、利用者にとって使いやすく、適切なサービスを選択できる情報を公開する仕組みをどのように構築するかが重要な課題であると考えます。そして、公表された評価結果については、介護事業者をよりよいサービス水準に誘導するための基準となるようPRに努め、事業者の自助努力に結びつけていくことが求められるわけであります。さらに、今後ひとり暮らしの高齢者や高齢世帯の増加、また、痴呆性高齢者の増加などライフスタイルが大きく変わる中で、高齢者の人権や財産が侵害されることも十分予測をされます。例えば、介護保険サービスを利用するためには利用契約が不可欠でありますが、判断能力が不十分な高齢者などは、それらを円滑に行うことは困難であると考えます。介護保険の導入など措置から契約への行政サービスの変革に伴い、単独では契約関係を締結、解消できない高齢者などにとって、財産管理や介護サービスの利用の面などで、成年後見制度や福祉サービス利用援助事業の積極的な展開が必要と考えます。
 そこで、以上の観点から、在宅重視の高齢者福祉対策についてご所見をお尋ねいたします。

中小企業の再生について

 第4に、中小企業の再生についてであります。
 雇用の安定は、暮らしの基本であり、将来にわたっての安心感を得る上で必要不可欠なものであります。地元中小企業は、地域の人々の雇用を確保し、また、その活動による収益は、県の自主財源の大きな柱の一つとなっております。このため県では、平成13年度から、ひょうご経済・雇用再活性化プログラムを柱に、中小企業対策と雇用の創出に取り組んでこられました。このプログラムの目標とする5万人のしごと創出については、当初の目標値を達成する見込みであるとのことでありますが、このプログラムによるしごと・雇用創出には、臨時緊急の雇用創出も含まれております。この臨時緊急的な雇用が将来にわたって継続されることこそが今後の重要な課題であり、当局の一層の取り組みを求めるものであります。
 また、本年5月の月例経済報告では、我が国の景気は、企業部門の改善に広がりが見られ、着実な回復を続けているとされていますが、これは、産業再生機構による支援や、金融機関の不良債権処理、あるいは産業構造や企業体質の改善など大企業を中心として進められてきた取り組みが、その大きな要因であると考えます。大企業の収益の改善に大きく貢献した、言いかえれば、しわ寄せを受けた中小企業の経済活動は、いまだに低迷した状態が続いていると感じております。県内の企業倒産件数は、平成13年から減少傾向にあるものの、昨年は678件に上り、県内の企業経営が依然厳しい状態にあることを物語っております。大企業を中心に進められてきた再生への取り組みが、今こそ中小企業に対しても必要となってきているのではないでしょうか。優秀な技術を持ちながらも、過去の負債から脱し切れず、経営状態の抜本的な改善が困難な中小企業を支援し、企業活動の継続に取り組むことは、当該企業のみならず、地域経済の活性化を図る上でも重要であると考えます。県では、地域産業の元気回復と新たな活力の創造に向けて、中小企業支援ネットひょうごによる総合的な支援や各種の制度融資などさまざまな取り組みが行われておりますが、これらの取り組みが中小企業の再生につながることを期待してやみません。
 そこで、中小企業の再生について、どのように認識をし、今後の施策展開を図られるのか、ご所見をお伺いいたします。

障害者のしごと創出・就業の促進について

 第5に、障害者のしごと創出・就業の促進についてであります。
 本年4月、県庁において3名の知的障害者の研修が始まったことが報道されたことはご承知のとおりであります。この記事を読み、行政の原点、政治の役割を改めて認識をいたしました。この3名の方々のやりがいはもちろんのこと、何より、同じ障害のある方々がこの記事を読み、励まされたのではないかと思います。そのように視点からも、障害者の自立支援、特に雇用・就業施策の重要性を感じるものであります。
 近年、IT技術の進展などにより、移動の制限や健康上の理由から企業に通勤して働くことが困難な重度障害者が、データ・文章入力、ホームページ作成などインターネットなどのIT技術を活用して在宅で就業する例が多く見られます。ITを活用した在宅就業は、障害者の能力に応じた就業機会を確保し、障害者の自立を図る上で重要な方策と考えます。
 県では、障害者の自立と社会参加を進めるため、障害者福祉プランの改定やホームヘルプサービスを初めとする在宅福祉サービスの充実、障害者雇用・就業支援ネットワークの構築などさまざまな施策が進められていますが、これらに加え、職域の拡大やITを活用した在宅での技能習得などの就業支援策を積極的に講じる必要があると考えます。
 一方、県内の障害者の雇用状況を見ると、昨年6月1日現在で、一般民間企業の47.6%が法定雇用率を達成できておりません。中でも、大規模な企業ほど未達成企業の割合が高く、企業モラルの低下が懸念されるところであります。企業の社会的連帯の理念に基づき定められた障害者の法定雇用率制度は、企業にとって達成すべき重要な経営課題であります。ここで未達成企業に対し私は、「長引く不況の中、収益や効率重視など企業の置かれている立場は理解できますが、雇用率達成に向け企業の社会的な責任を果たしていただきたい」、そのことを申し上げたいと思います。さらに、福祉教育を実践する立場の県教育委員会などにおいても法定雇用率を下回っていることを大変残念に思うわけであります。雇用率未達成企業情報の開示等により、企業の意識の改革など法定雇用率達成へ向け、県としても積極的に取り組んでいくべきと考えます。
 また、しごと・雇用創出5万人の目標達成に向けたひょうご経済・雇用再活性化プログラムの総仕上げにおいても、障害者雇用と仕事の創出について達成状況を十分に検証し、その成果を継承するひょうご経済・雇用再生加速プログラム――仮称ですが――に明確に反映していくべきと考えます。
 そこで、障害者のしごと創出・就業の促進についてご所見をお尋ねいたします。

食の安全と食料の安定供給について

 第6に、食の安全と食料の安定供給について2点お尋ねをいたします。
 まず一つ目として、食の安全と信頼回復についてであります。
 米国におけるBSEの発生、遺伝子組みかえ農産物を利用した食品の製造など食の安全性が問われております。さきの県立生活科学研究所の行った幼少期の子供がいる親を対象とした食生活に関する調査によると、7割の親が食品の安全性に不安を感じると回答し、8割の親が、行政の食の安全策の改善効果に変化が見られないと答えております。また、トレーサビリティについては、「初めて聞いた」、「聞いたことはあるが内容は知らない」が8割を超えております。これらは、安全対策への取り組みのPR不足と、消費者個人が生産、流通過程の複雑な情報を把握、理解することの限界を示しており、行政に課せられた責任の重さを感じます。食品の安全性については、小売段階で消費者に選択をゆだねるだけでなく、生産段階や流通段階での安全性の確保に重点を置くべきであると考えるものであります。
 県では、平成13年度から農産物を対象として、「ひょうご安心ブランド認定制度」が実施されております。この安心ブランドの平成15年度の生産実績3,839トンは、目標値の2,560トンを大きく上回るものでありますが、消費者の食の安心への要求にこたえるためには、より一層の生産拡大が望まれるところであります。
 また、兵庫県版HACCP認定制度についても、既に食肉、水産加工食品等で導入をされ、今年度から鶏卵選別包装・液卵製造施設に導入されますが、他のさまざまな業種、分野にも早急に導入することが求められるわけであります。さらに、偽装表示問題や高病原性鳥インフルエンザ発生時に見られた生産者等供給者側のモラルの欠如に対し、生産者等供給者側の安全意識の醸成と自助努力の促進を図るためにも、安全確保に積極的な取り組みがなされている事業者については進んで情報を公開すべきであると考えます。今こそ食の安全に対する県の役割と責任を再認識する必要があります。店先に並ぶ食品、そのすべてが安全でなければなりません。
 以上の観点を踏まえ、食の安全策の推進について所見をお伺いいたします。
 二つ目に、持続可能な食料の安定供給と食料自給率の向上についてお尋ねをいたします。
 食料は、人間の生命の維持に欠かすことができないものであり、健康で豊かな生活を送るための基礎として大変重要なものであります。そして、食料の安定供給を確保することは、県民の安心と健康の維持を図る上で不可欠でもあります。日本の食料自給率は、アメリカの122%、フランスの121%、ドイツの99%などに比べ、先進国の中でも比較にならないほど低い状況にあります。地球規模での中長期的な食料需給が逼迫基調にある中、国の食料・農業・農村基本計画では、平成22年度における食料自給率の目標をカロリー換算で45%と設定しております。ところが、我が国の平成14年度の食料自給率は40%で、5年連続の横ばいであります。
 本県は、播磨、淡路を初めとする各地域の農産物、瀬戸内海、日本海の水産物など豊かな農林水産資源に恵まれております。山田錦、シラス、イカナゴ、ズワイガニの出荷量全国1位を初め、タマネギ、ノリ、タコは第2位、レタスは第3位など兵庫自慢の産物が多数あるわけであります。また、平成13年よりひょうご農林水産ビジョン2010に基づき、県民生活に直結する産業としての農林水産業の振興と持続的な展開を県民総参加により推進しておりますが、本県の食料自給率は17%と試算されており、国全体の自給率の半分以下となっております。
 また、消費形態を見ると、食料の大半を海外に依存したり、他府県の生産で賄いながら、一方ではコンビニエンスストアやファーストフード店での売れ残り食品や家庭での食べ残し食料が日々大量に廃棄されております。消費面での食料に対するあり方を見詰め直す必要があるのではないかと考えます。一方、生産面においては、消費者の求める安全・安心はもちろんのこと、安定的に供給していくことが求められます。
 また、県内の全産業の生産額のうち、第1次産業としての農林水産業の占める割合はわずか0.8%でありますが、食品加工などの関連産業を含めると5兆円、13.3%となり、大きなウエートを占めてまいります。
 このように、食関連産業を支える農林水産業は、本県産業、経済にとって重要な役割を果たしております。食料自給率の向上は、雇用などの経済効果をもたらし、県土の保全などにもつながってまいります。ここで改めて、県民の一人一人が食べ物についての理解や関心を深め、みずからの食生活を見直したり、近くでとれる食べ物を大切にしていくなど食料のあり方を生産と消費の両面から見直し、将来にわたって持続的な食料安定供給体制を確立すべきであります。
 食料自給は、国の政策によるところが大きいわけでありますが、食に関する意識が高まる中、県として、食料自給率の現状についてどのように認識をしておられるのか、また、持続可能な食料安定供給と自給率向上に向けて今後どのように取り組まれるのかご所見をお尋ねいたします。

学校の果たすべき使命について

 第7に、学校の果たすべき使命についてお尋ねをいたします。
 近年、都市化や核家族化など社会情勢の変化に伴い、家庭、地域の教育力の低下が問題視されるようになってまいりました。基本的な生活習慣、生活能力、倫理観や社会規範など人間形成に関する教育は、本来家庭が担うべきものであり、それを補完するのが地域社会であります。このような役割を学校現場にまで求めるには限界があります。詰め込み教育が子供のストレス、親のストレス、そして、教職員のストレスと続く負の連鎖を生み、その反省に立ってゆとり教育が叫ばれてきたわけであります。このような状況のもとで、いま一度学校・家庭・地域がその役割分担を明らかにし、学校・家庭・地域の協働による子供を中心とした教育のつながりを築き上げ、学校本来の使命でもある確かな学力と豊かな心をはぐくむ教育活動が効果的に行える環境づくりが必要と考えます。
 また、先般、長崎県佐世保市で学校現場における痛ましい事件が発生いたしました。昨年の沖縄市や長崎市での殺人事件以上の衝撃であり、子供たちに対する心の教育、命を大切にする教育の重要性を改めて感じると同時に、今日の子供たちを取り巻く生活環境の変化を痛感いたします。
 県では、スクールカウンセラーや子供と親の相談員の配置を初め、教育活動全体を通じて心のケアや相談体制の充実に努めておられますが、子供のコミュニケーションスキルを高めるとともに、子供が怒りの感情を上手に処理できる能力を高めるアンガーマネジメントの研修など新たな取り組みなども視野に入れ、さらなる心の教育の充実を図っていただきたいと考えております。大震災を経験した県であるからこそ、命の尊さを訴えていかなければなりません。みずからの命を絶つ、そして、人の命を奪う行為は許されないわけであります。今申し上げたことを初め、現在教育に課せられた課題はいろいろありますが、特に学校での安全性に絞って質問をいたします。
 平成11年には、京都市の小学校で、平成13年には池田市の小学校で児童殺傷事件が発生いたしました。さらに、昨年も学校での不審者侵入事件が相次ぐなど学校を発生場所とする犯罪の件数が増加しております。外部の者が学校へ侵入した事件が、平成14年には全国で2,168件と、平成11年の1,042件に比べ2倍を超える状況にあります。学校への不審者の侵入から子供を守ることも、学校に課せられた大きな使命の一つであると考えます。
 また、昨年、県警が110番から現場到着までに要した時間は7分48秒とされております。不審者が侵入した場合、警察官が到着するまでの間の対処も考えなければなりません。私たちの学校では事件は起こらないだろうと楽観視をせずに、事件はいつでも、どこでも起こり得るという危機意識を持って、学校の安全性を確保する必要があります。そのためには、警察による防犯診断の徹底、防犯関連設備の実効性ある運用をめざした訓練、来訪者の識別方法の構築と徹底、学校防犯巡視員による巡回や監視員の配置による防犯体制の強化、加えて不審者情報等を地域で共有できるネットワークづくりなど地域社会、関係機関との連携強化等が必要であると考えます。
 そこで、学校本来の使命である教育活動を効果的に行うため、子供たちが安心して教育を受けられる安全な環境づくりについてご所見をお尋ねいたします。

県内の治安に維持・回復に向けた県と県警との一体的な取り組みについて

 最後に、県内の治安に維持・回復に向けた県と県警との一体的な取り組みについてお尋ねをいたします。
 犯罪は、県民の生命、財産を脅かし、ひいては社会全体に不安をもたらします。昨年県内の刑法犯認知件数は、前年より1万1,365件減少し、検挙率は2.5ポイント改善いたしました。これは、本県の治安回復の始まりを予感させるものであり、第一線で職務に当たる警察官の方々には、心から敬意を表したいと思います。一方で、検挙件数については、同様に9.1%改善いたしましたが、検挙人員は0.2%悪化するなど刑法犯の未検挙率は依然として高い数値を示しております。また、最近の犯罪傾向として、高齢者、女性、子供など社会的弱者が被害者となる事件が目につきます。さらに、外国人や少年犯罪、ハイテク犯罪など犯罪の形態は多様化、複雑化しており、これらに的確に対応するため、警察力の引き続いての強化が望まれるところであります。
 この警察力強化の要請にこたえるため、平成14年度から順次警察官の増員が行われ、今年度も125名の定数増や警察職員のOBによる交番相談員109名の増員が認められるなどの取り組みがなされております。人員の増員、特に警察官の増員に対しては制約があることを承知しておりますが、さらなる増員に取り組まれることを強く望む次第であります。
 これらの警察力強化とともに、一方では、犯罪を起こさせない環境づくりが求められております。このため、今年度から、地域の安全を地域ぐるみで守っていくまちづくり防犯グループの組織化を促し、自主的な活動を支援することとしておられます。この取り組みがまさに社会の要請にこたえるものであり、犯罪抑止と地域コミュニティの再生につながることを期待するものであります。
 また、犯罪に強いまちづくりを推進するため、まちづくり防犯グループの要望に応じて防犯カメラ等の防犯設備の整備費を助成することとされておられます。ただし、この防犯カメラについては、海外での導入事例を見る限り、防犯、犯罪抑止効果を疑問視する声が一部にあり、導入の効果が最大限生かされるような運用をお願いしたいところであります。
 今年度、地域安全対策の一環として、県警から警視以下4名の警察官が知事部局に派遣され、県民運動のさらなる推進や体制の整備が図られております。県内の治安の維持・回復のためには、こうした県と県警との連携体制に基づく一体的な取り組みが求められるところであります。
 そこで、この一体的な取り組みについてのご所見をお伺いし、以上で私の質問を終わります。知事初めご当局の誠実な答弁を期待いたします。ご清聴ありがとうございました。


○知事(井戸敏三) 

 ひょうご・県民連合議員団を代表しての岸口 実議員のご質問にお答えいたします。
 まず、地方分権の推進と自治体間格差への対応についてです。
 分権時代の基礎自治体としての市町がより自立性の高い行政主体となるには、これにふさわしい財政基盤が必要であります。税源移譲等による地方税財源の充実強化が望まれる理由です。税源移譲が行われても、税源の偏在による団体間の財政力格差の拡大が懸念されます。このため、偏在性の少ない地方税体系の構築はもとよりでありますが、地方交付税の財源保障及び財源調整機能による適切な対応が不可欠であり、これまで県議会、市長会や町村会とも連携しながら国に対して強く提言してまいりました。このたびの「骨太の方針2004」で、個人住民税への3兆円規模の税源移譲、地方交付税について地方の歳出を見直し抑制する一方で、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保すること、財政力の弱い団体に対する地方交付税の算定等を通じた適切な対応が明記されております。今後、具体化に向け積極的に取り組んでまいります。
 もとより市町が必要な住民サービスを担っていくためには、合併等行政の広域化による行財政基盤の強化も選択の一つでありますし、また、住民の理解と協力のもとで、費用対効果を踏まえた地域らしい施策展開を行っていくことも大切です。私は、このような自己決定と自己責任に基づく住民ニーズへの的確な対応が、各市町ごとの個性を生み出し、地域特性に応じて多様な展開が見られていくことこそ、これからの市町のあり方ではないかと考えます。県としては、広域的、専門的分野を中心に、市町行政補完的立場に立って、県民局の持つ現地性や即応性を発揮するということを基本に、適切なパートナーシップを確立してまいります。
 続いて、参画と協働による新しい公の推進についてです。
 私たちは今、物の豊かさの反面、人と人との信頼やぬくもりのある人間関係など多くの大切なものを見失い、そのことが子供や青少年、家庭や地域をめぐるさまざまな憂慮すべき事件に大きな影を及ぼしていると言えるのではないでしょうか。新しい公は、どこの地域でも見られた近所のおせっかいや助け合い、思いやりなどを今日に生かすとともに、ひとり行政のみならず、県民一人一人が自覚と責任を持ち、よりよい地域づくりをめざす中で創出されていくのではないかと考えます。
 本県では、県行政への参画と協働はもとより、県民同士の参画と協働により、新しい公としての地域社会の共同利益の実現をめざす全国的にもユニークな条例を県議会の理解を得て制定しました。この基本枠組みのもとに、県民への普及や意識改革に努める一方、県としての支援指針と推進計画に基づき推進を図っています。
 今後とも多様な機会をとらえて、県民にわかりやすくアピールしていくとともに、本年度から新たに子育て地域協働プロジェクトやまちぐるみの安全対策を展開するほか、県民交流広場づくりの本格実施につなぐモデル事業を実施することとしています。このような具体的な参画と協働による兵庫県づくりへの参画を通じて、県民が新しい公の担い手であり、育て上げていく主役であることを理解していただきたい、このように考えているところです。
 次に、在宅重視の高齢者福祉対策についてです。
 ご指摘のように、高齢者が住みなれた家庭や地域で生活することが高齢者福祉の基本であり、ユニバーサルな社会の要素であると考えます。このため、県老人保健福祉計画に基づき、多様な在宅サービスの提供やサービスを支える人材の養成、サービスの質の向上等に取り組んでいます。特に、ケアマネジャーの資質の向上については、要介護者の自立を支援するケアマネジメントの確立をめざし、研修の充実に努め、ケアマネジャーを指導、支援するリーダーの養成研修に努めています。また、第三者評価については、県として評価する上でのガイドラインを示すとともに、評価担当者に対して研修を実施して、公正な調査と評価の確保に努め、評価結果については、事業者へのアドバイスレポートを作成し、事業者の改善努力を喚起しています。成年後見制度等については、市町や社会福祉協議会を通じた普及啓発に努めておりまして、利用件数は年々増加傾向にありますが、さらに利用促進を図りますなど、これらを通じまして在宅対策を行っています。
 今後、県ケアマネジメント支援会議において、ケアマネジャーの支援方策を検討するほか、17年度の県老人保健福祉計画の改定に向け、住民ニーズを把握し、さらなる改善に向けた検討などを通じまして、在宅重視の高齢者福祉対策の充実に努めます。
 続きまして、中小企業の再生についてです。
 中小企業は、景気低迷、海外製品との競合等により厳しい状況にありますが、こうした環境変化に柔軟に対応できるよう経営体質を強化していくことが地域経済の担い手として、その活性化を図らなければなりません。このような観点から、中小企業活性化センターを核に27の機関で構成する中小企業支援ネットひょうごの支援手段として、昨年度は、成長期待企業貸付、本年度には、第二創業・新分野進出支援事業の支援ネット枠、市場戦略構築支援事業を創設するなど、中小企業の抱える経営課題にワンストップで迅速に対応できるよう体制・施策の充実を図りました。
 また、地場産業や商店街に対しても、その特性に応じ支援策を充実するなど地域課題に応じた対策を講じます。さらに資金面からは、制度融資について目標額を3,000億円に増額するとともに、無担保・第三者保証人なしで融資する経営活性化資金を初め、事業活性化貸付等の創設や商工会議所に置かれている中小企業再生支援協議会の支援企業に対する企業再生貸付・A型を引き続き実施するなど中小企業の資金需要に応じ、わかりやすく、使いやすい制度に再編もいたしました。今後ともこれらの取り組みを一層強化して、回復基調にある兵庫経済のすそ野を広げ、地域経済の活性化を図ってまいります。
 障害者のしごと創出・就業の促進についてです。
 障害者の自立支援のためには、障害者の特性を踏まえ、労働、保健福祉等の関係機関が連携し、雇用のみではなく、さまざまな就業機会の確保を図ることが大切です。県としても、障害者専門の無料職業紹介事業に本年度から取り組むとともに、情報化社会の進展の中で有効な手段と考えられるITを活用した就業についても、障害者に対する職業能力開発を初め、安定的な仕事の確保等による在宅ワーカーの自立支援にも努めています。特に障害者の就業確保は、授産施設や小規模作業所での製品が消費者に受け入れられることが不可欠でありますので、その品質向上のアドバイザーや受注開拓員を設置するほか、全国に先駆けた障害者雇用促進企業や授産施設等への官公需の優先発注、授産製品をホームページで紹介する独自の通販システム、インターネットボード「楽天」にも出店するなど積極的な施策の充実を図っております。
 こうした県の取り組みに呼応し、企業には、地域社会への貢献という観点からも、法定雇用率の早期達成を期待しており、労働局、ハローワーク等と連携して、障害者雇用の一層の取り組みを働きかけていきます。
 また、経済・雇用再生加速プログラムの策定に際しましては、これまでの取り組みを検証するとともに、企業の社会的責任という視点に立って、雇用促進につながる具体的施策を検討し、障害者が働くことを通じて生きがいを持ち、自立することが可能な社会の実現をめざしてまいります。
 治安の維持回復に向けた県と県警との一体的な取り組みについてです。
 昨年は、刑法犯認知件数が15万3,000件と対前年比6.8%減少したものの、依然として街頭犯罪や侵入犯罪が多発して、厳しい状況にあります。
 このような地域犯罪の増加から、地域における安全の確保に対しては強い要請がございます。今年度から、新たに知事部局においても地域ぐるみの安全対策に取り組むこととし、警察官の派遣を含めた体制整備を行い、地域安全課を設置しました。地域の自主的な防犯力を高めるためには、関係市町や警察署等と連携しながら、小学校区等を活動区域とするまちづくり防犯グループの組織化を図るとともに、これらのグループの活動が県民総ぐるみの全県的な運動に盛り上がることが必要です。官民挙げた推進母体となる県地域防犯対策協議会の設立に向けて、関係者に幅広く働きかけることとしております。また、まちづくり防犯グループの結成やその活動の促進も図ってまいります。
 防犯の環境対策として、防犯灯や防犯カメラの適切かつ効果的な整備を進めてまいります。私は、防犯カメラや防犯灯が何か事件があったときの捜査の端緒になり得るというその可能性からの予防効果に期待をいたしているわけであります。そのほか、有識者懇話会を設置し、犯罪の発生しにくいまちづくりのための指針づくりも進めます。県民の暮らしの安全・安心の確保に向けて、県と警察の活動との連携を深めつつ、一体的に安心を得られるように取り組んでまいります。

○副知事(藤本和弘) 
 私から、地域資源を生かした官民の取り組みについてをお答えいたします。
 成熟社会は、「つくる」から「つかう」時代であると言われておりますが、参画と協働の推進に当たりましても、県下各地域に蓄積されましたハード、ソフトにわたりますさまざまな地域資源を生かすことが重要であると考えているところでございます。このために、本年3月に策定いたしました地域づくり活動支援指針におきまして、企業や大学等が有する人、もの、施設、資金、情報などの地域資源を適切に結びながら地域づくり活動の輪を広げていくこととしておるところでございます。
 本県にあっても、大震災の教訓もありまして、被災地を中心に企業の施設開放や資金、資材の提供、イベントやまちづくりなどの地域活性化の取り組みなど各地で展開をされ、着実な成果を生み出しつつあります。また、県においても、ひょうごボランタリー活動メッセの開催によるNPOと企業との出会いの場づくりを行うとともに、県立大学におきます施設開放や公開講座、大学と協働した生涯学習事業など企業や大学等の持つ資源を生かした施設展開、さらには、医師、看護師、保健師等によりますまちの保健室事業など、地域資源を生かした官と民の取り組みを進めているところでございます。
 今後は、ひょうごボランタリープラザによりますマッチング機会の充実はもとより、さまざまな地域づくり活動の事例を取りまとめまして県民に情報提供をするとともに、地域協働の視点に立って、県と市町施策の有機的な連携を深めるなど、兵庫県ならではの地域資源を生かした取り組みを推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくご指導を賜りたいと思います。

○副知事(齋藤富雄) 
 私から、食の安全と食料の安定供給についてのご質問2点についてお答えをいたします。
 まず、食の安全と信頼回復についてお答えをいたします。
 食品の安全性の確保は、県民が健康で豊かな生活を営む上で最も重要な問題の一つであると認識をいたしているところでございます。この考えに立ちまして、これまで県におきましては、消費者の相談窓口の設置、製造・流通段階での食品検査の充実や監視指導の強化、県版HACCP認定制度による食品製造事業所の衛生水準の向上、ひょうご安心ブランドなどによる安全・安心な食品の提供に積極的に取り組んでいるところでございます。
 また、このたびの鳥インフルエンザの対応を教訓といたしまして、新たに食品安全官及び家畜安全官を配置し、食に係る危機管理対応が迅速かつ的確に行えるよう体制の強化を図ったところでもございます。
 今後とも消費者、生産者、流通・製造・販売者の各代表や学識経験者などで構成をいたしますひょうご食の安全・安心推進会議におきまして、各分野から幅広く意見をいただき、食の安全・安心に係ります具体的な行動計画の策定を行いますとともに、県産食品の認証制度の充実や県民に的確でわかりやすい情報を迅速に提供するなど食の安全・安心につきまして、県政の最重要課題として引き続き取り組んでまいる所存でございます。
 次に、持続可能な食料の安定供給と食料自給率の向上についてお答えをいたします。
 今後、世界の食料需要が大幅に増大すると予測されているところでございますが、そういう中で、食料自給率の向上は、農林水産業のみならず、県民生活全般にかかわります重要な課題であると認識をいたしているところでございます。
 日本の食料自給率が大きく低下した要因といたしまして、一つには、食生活の変化によります自給可能な米の消費減少と油脂、畜産物の消費増大、二つには、国内生産が消費者などのニーズに品質、価格の面で必ずしも十分に対応できなかったことなどが指摘されているところでございます。
 このため県といたしましては、優良農地の確保、担い手の育成、生産基盤の整備等はもとより、消費地と生産地が近接するという本県の特徴を生かしまして、地産地消の推進、新たな県産食品認証制度の創設など、消費者ニーズにこたえる安全・安心で愛されるひょうごの食づくり等の取り組みを行ってまいりました。さらには、食育や「おいしいごはんを食べよう県民運動」を通じました食生活の見直しを進め、あわせて多くの人が農業生産にかかわることが食料の安全保障にもつながるということから、「楽農生活」を広く推進し、食料自給率の向上に向けて生産者と消費者が一体となった全県的な取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。

○教育長(武田政義) 
 私から、学校の安全確保についてご答弁申し上げます。
 子供たちが学校において安全で、かつ、安心して教育を受けられる環境づくりは大変重要なことであるということは申すまでもございません。県教育委員会におきましては、大阪教育大学附属池田小学校の事件を契機に、平成13年度、学校等に県警ホットラインを設置いたしましたほか、あわせまして、学校危機管理ガイドラインを作成し、市町教育委員会に対して各校の実態に即した独自のマニュアルの作成など、地域の実情を踏まえた安全な学校づくりを推進するよう指導してきたところでございます。
 また、その後発生いたしました宇治市の事件等も踏まえながら、マニュアルの作成にとどまるのではなく、平素から訓練等を繰り返し、職員間の意識の高揚に努めるよう指導してきたところであります。
 また、これらに加えまして、万一不審者が侵入した場合の実践対応能力を強化いたしますために、警察官による小学校教員向けの防犯研修会や、あらゆる事態を想定した実践的な机上シミュレーションを導入した研修などを取り入れるなど努めてきたところであります。さらに、学校設置者であります市町におきましても、監視カメラの設置などハード面からの対応や住民参加による危険箇所の点検でありますとか、校内外の巡回、シルバー人材の監視員としての活用、防犯ブザーの全校生配付など独自の取り組みも進められているところであります。
 しかしながら、子供たちの安全を学校だけで確保するには限界がありますことから、本年度、「県民すべてがかかわる兵庫の教育」に取り組む中で、地域に開かれた学校づくりの観点から、オープンスクール等を実施することといたしております。これらの取り組みの中で、地域の皆様方とも連携をした学校の安全確保をどのように進めていくかという観点で議論も含め、住民一体となった学校の安全確保に努めてまいりたいと考えておりますので、何とぞご支援いただきますようによろしくお願い申し上げます。

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