令和元年度決算特別委員会 [ 10月15日 企業庁]

○(岸口みのる委員)  皆さん、こんにちは。維新の会の岸口である。私ごとであるが、今回の決算の質問、これが最後になる。名残惜しさはあるが、最後1問だけであるが、しっかり質問していきたいと思う。
 また、この地域整備事業の在り方についてお尋ねをするが、これについては、休憩前、お二方の委員より質問もあったところではあるが、少し視点を変えて質問したいと思うので、よろしくお願いする。

地域整備事業の今後のあり方について
 企業庁は、水道用水供給事業、工業用水道事業、水源開発事業、地域整備事業、企業資産運用事業、地域創生整備事業の6つの事業を所管し、水源開発事業を除いた収益的収支を有する5事業会計の全てが黒字で、合計49億7,680万円の利益剰余金を得ている。平成29年度、30年度においても、4事業会計合計で35億5,470万円、43億4,670万円の利益剰余金を計上するなど、安定した経営を続けている。
 また、今年度は、コロナ禍による地域経済、家計に対する影響への配慮から県営水道料金の減免を打ち出すなど、県民ニーズを捉えた迅速な対応に心より感謝申し上げる。
 ここでは、地域整備事業について質問をしたいと思う。
 令和元年度兵庫県行財政運営方針実施状況報告書によると、住宅用地の分譲状況は、平成30年度末の分譲済みは198haで、計画面積からの進捗率は93%となっている。これに対し、令和元年度に売れたのは三田カルチャータウンの14区画0.5ha、播磨科学公園都市では住宅1戸のみで、進捗率は93%と変わっていない。
 また、産業用地、業務用地は令和元年度4件4ha売れたが、計画面積の0.4%にすぎない。分譲がなかなか進まない産業・業務用地では、太陽光パネルを設置するなど、発電所として暫定的に利用しているが、住宅用地は活用方法が見当たらない。職員の方々がいろいろと努力されているが、コロナ禍により分譲のハードルはより高くなるし、努力をしても売れないものは売れないのが現実である。
 一方で、地域整備事業でここ5年間の収支黒字額は、平成27年度7億3,000万円、平成29年度1億1,000万円、そして令和元年度は3,300万円と減少をしている。このまま用地分譲が進まなければ、黒字額はより減少し、いずれは赤字となるかもしれない。
 公営企業として事業を行っている以上は健全経営が求められることになるが、民間企業では健全経営を維持するために、利益が出ている間に不良債権処理や減損処理、事業撤退などを行っている。
 企業庁においても、利益が出ている間に未売却用地の一括売却も一つの選択肢であると私は考える。そこで、未売却用地の処理等を含めた地域整備事業の今後の在り方についてお尋ねをする。

○公営企業管理者(片山安孝)  地域整備事業の今後の在り方についてであるが、企業庁の用地分譲は新たな大規模分譲は地域創生事業で行うこととしており、地域整備事業は従来から取り組んでいる用地分譲が対象であり、これは先細りとなる構造となっているところである。したがって、地域整備事業では、とにかく用地の販売をするしかないと考えている。
 用地販売で一番大事なことは、「営業」であると考えている。営業には、経験が必要である。ところが、企業庁の分譲関係職員も県庁全体の人事ローテーションに組み込まれており、一定の周期で他部局との間で転入転出となる。
 そもそも考えてみると、営業をやろうということで県庁に入ってくる職員はいないと思っている。そこで、産業用地の分譲では経験豊かな職員に定年後も再任用の形で残ってもらい、職員のサポートに当たってもらうことにした。
 今後の産業用地の分譲は、小野産業団地2期の分譲、また5Gに対応した次世代型産業団地の開発に積極的に取り組み、地域の雇用の場の確保に努めていくこととしている。
 一方、住宅用地の分譲は、景気変動の影響を大きく受ける。現在行っている住宅分譲には引き続き取り組んでいくが、新たな住宅用地の分譲は民間に委ねるのが適切であり、私としては企業庁が乗り出すには慎重であるべきと考えている。
 したがって、先ほど不動産業でバーンとやると答弁したが、早からやる気がないんかとお叱りを受けたところであるが、正確には産業用地の分譲でバーンとやらせていただくということでお願いする。

○(岸口みのる委員)  産業用地、工業団地については、私はまだ撤退すべきなんてことは思っていない。やは住宅用地については、これはそもそも制度がスタートしたときの目的からすると、もうその目的は薄れてしまったのではないかと。先ほどのご答弁のとおり、皆さんは不動産屋の社員ではないし、公務員であるから、できたらこの住宅用地をさっさと撤退をして、ほかの事業の仕事をやっていただくほうが、全体の最適につながると思っている。
 先ほどのご答弁からすると、1点だけもう一度お尋ねをしたいが、新規には住宅用地は分譲したり開発したり手広く手を広げることはないとおっしゃったが、今、残っているやつを、例えば年限を区切り、売却というか一括売却でもいいから、やったらどうかなと思う。
 私、これまで政調会なんかで潮芦屋浜と科学公園都市を抱き合わせでバルクでいったらどうだということも申し上げたことがあるが、いいところばっかり先に取られてしまい、売れないところはいつまでたっても売れないところが残ってしまうということになるので、やっぱりどっかで見切りをつけて、もう利益が出てるんだから、売却を優先して事業撤退ということをお考えになってはどうかと思うが、いかがであろうか。

○公営企業管理者(片山安孝)  現在、住宅用地で主にやっているのは三田のカルチャータウン、潮芦屋、播磨科学公園都市である。かなり売れ残りがあり、特に播磨科学公園都市はなかなか売れていない。ただ、過去からずっと企業庁がタッチしてきたということ、また、まちづくり全体をいろいろ見ているということもあるので、私はこの三つについては、頑張ってやっていかなければならない。
 ただ、今、ご指摘のあったように、やっぱり売り方には直接売買のほかに、民間企業にドーンと売るとかというような感じで、工夫とかということは工夫していきたいと思う。
 私の傾向としては、三田カルチャータウンと潮芦屋はやはり立地条件がいいので、かなり将来展望が明るいと思っているので、今の状況にやっていけるかと思っている。
 問題は、播磨科学公園都市である。しかし、あそこを産業用地もあるし、また科学技術基盤もある。私も1年間住んだことがあるが、あそこは前から企業庁が20年以上やって、全部企業庁がやっている。悪く言えば、周辺市町も企業庁がやっているではないか、こういうことなんでとことんやらなしようがないなと諦めて、私も定年で辞めたらテクノの嘱託にでも使ってもらおうかなと思っているぐらいで頑張りたいと思っている。

○(岸口みのる委員)  事業への思い入れというのは、確かによく理解するが、事業の最後の見極めというのか撤退の時期が一番難しいと思う。私は、その時期がそろそろ迫ってきているのではないかと感じている。
 さっき申し上げたように、いつまででもこの事業にかかわっている限りは、貴重な職員の誰かを配置し続けなければいけないし、これから先、まだまだ別の事業で活躍をしていただかないといけないということがあるから、そういう意味では本当にどこかのタイミングで撤退すべきものは撤退をして、そのことが全体の利益につながっていくわけだから、ぜひご再考をお願いをしたいと思う。そのことをお願い申し上げ、質問を終わりたいと思う。ありがとうございました。

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